『“彼女”のことは、いいんだ?』

いいも、なにも、どうしようもないよ。
出ていったのは、彼女だし
その原因は、のっちかもしれないけど
のっちは、こんなヤツなんだもん。

それは、どうしたって、変わんない。

のっちが悪かった?
うぅん、そうじゃない、、、はず。
彼女が悪かった?
うぅん、、それも、違うよ。


けど、どうにもならないことだって、ある。

好き、だけじゃ足りないことがある。


ただ、それだけ。



「どうしたんですか?」
「・・・」
「ねっ!聞いてます?」
「あ、ごめんごめん。なんだっけ?」
「だからぁ、、て、ほんと、なにかあったんですか?」
「ん?別に、なんもないよ」
「そですか?」
「うん、あ、それより、彼はどう?まだ相変わらず?」
「あー、だいぶしつこさはマシになってるんですけど」
「うん」
「なんか、まだ、うざいです」
「ははっ、根性あるね、彼」
「笑い事じゃないですよ!」
「あ、ごめん。でも、ほんと好きなんだね、サヤちゃんのこと」
「いい迷惑ですけど」
「まぁ、ねぇ」
「…迷惑です、か?」
「へ?」
「面倒なこと頼んじゃって…」
「そんなことないよ?」
「ほんとですか?」
「うん、一緒にいるの、楽しいし?」
「・・・そういうのやめたほうがいいですよ」
「へ、なにが?」
「勘違い、、しちゃう、から」





〜♪

「あ、ちょっとごめん」
うぅんって、首を横にふる、サヤちゃんは、なにか言いたそうだった。

ディスプレイを確認すると、ゆかちゃん。

「もしもし?」
「のっち?ごめん、今から迎えにきて」
「え、今から?」
「うん、今すぐ」
「すぐって、、、のっち今、“デート”中なんだけど」
「知ってるよ、今朝、言ってたじゃん」
「・・・」
「ムリならいい」
「…どこにいるの?」

ゆかちゃんが告げた、場所は
ここから、そうは離れてないとこだった。


「ごめん、呼び出されちゃった」
「大丈夫ですよ、、、だから、そんな申し訳ない顔しないでください」
「え、どんな顔してる?」
「眉がハになってますよ」
「あぁ、よく言われるわ」
「どうせ、“恋人ごっこ”なんですから…」
「・・・んー、だったらなおさら?」
「?」
「彼女より、トモダチを優先しちゃだめだよねぇ」
「え」
「恋人、なんだから」
「…フリ、ですよ?」
「わかってるよ?だから、ね?」
「うん…」
「さ、行こうっか、送ってくよ」
「え、いいですよ、まだ電車あるし」
「いいよいいよ、途中で、トモダチひろっていくけど」


ほら、ね。


のっちは、とことんバカなんだ。





最終更新:2010年11月06日 01:06