あぁ、、、、あぁ、、、、、、
あれから、どちらも口を開くことはなかった。
車内に響いていた、最近お気に入りの音楽も
ただただ空しく、耳障りなだけ、で。
あぁ、、、、あぁ、、、、、
帰ってきても、無言は変わらず
そのまま、吸い込まれるように、互いの部屋に消えてった。
あぁ、、、、、あぁ、、、
さっきから、のっちはずっと、真っ白な天井とにらめっこ。
あぁ、、、、あぁ、、、、、
バカみたいに、小さく零す声は
頭に反芻される、声たちを打ち消すため。
『似てるね?』
あぁ、、、、あぁ、、、、、
『付き合っちゃえばいいのに』
あぁ、、、あぁ、、、、
『大切なのは誰?』
ああぁ、、、、あぁ、、、、、、っ
『じゃ、トクベツなのは?』
あぁ、もうっ!!
頭ん中は、思考回路停止状態なのに
心ん中は、ぐちゃぐちゃで、キモチがワルイ。
いや
心ん中は、空っぽのくせに
頭ん中が、勝手に暴走してるから、アタマがイタイのか。
どっちでもいいや、
どっちだってカンケイない。
心と頭を繋いでる通路は、閉ざしてしまおう。
リンクしちゃうと、きっと危険。
…なにが、危険?
だめだ、水でも飲んでこよう。
ガチャリ。
やけに、ドアを開ける音が響いてびくっとした。
そろりと、キッチンへ向かう。
蛇口から流れ出る水に、一瞬思考を奪われる。
とめどなく流れ出る水。
けど、蛇口をぎゅっとひねれば、ぴたっと止まる。
うん、止めよう。
ガチャリ。
呼応するように、後ろで、ドアの音が響いた。
ゆかちゃん?
とことこ、、、、、
玄関に向かう足音。
ん?
そっと、玄関を覗くと
かがんでブーツを履く後姿。
「・・・出かける、の?」
その声に、細い肩が、少し震えた。
「・・・起きてたんだ」
こんな日に眠れるわけない。
「こんな時間だよ?」
「うん、下まで迎えにきてくれてるし」
は?誰が?
なに言ってるの?
思考をぎゅっと締められた、あたしに
言葉を紡ぎだすのは不可能だ。
「じゃ、ね」
そう言って、ゆかちゃんは
のっちのほうを振り返ることもなく
軽やかに、扉の向こうに消えていった。
ガタン。
部屋のドアより、幾分と重い金属音が
脳みそに響いて、ココロん中を
踏みにじっていった。
最終更新:2010年11月06日 01:19