「怒って欲しかった?」
「泣いて欲しかった?」
感情のつかめないのっちの声が
ゆかを麻痺させてゆく。
ただひとつ、ココロだけのぞいて。
苦しぃよ、、、苦しぃよ、、、どうして、こんなに苦しいんよ?
わかんないまま、ゆかの腕は
荒々しくのっちに、ぶつかっていく。
ねぇ、ゆかのこと好きなんじゃないの?
「うん、、好き、だよ」
ウソツキ。
じゃ、なんで、平然としてられるの?
「ゆかは、キライ!」
ゆか以外に、ふらふらしてるのっちなんかキライ。
ゆかに困っていないのっちなんか、大キライ。
「だから、付き合うことにした」
「なんでって、好きだから」
なに言ってんの?
さっきその口で、ゆかのこと好きって言ったじゃん。
あ、、、、ハズレた・・・
なんで!なんで!なんで!なんで!、、、、、
ゆかの手のひらが、のっちを打つ。
自分勝手な手のひらが、のっちを撃つ。
のっちは、ただただ、ゆかの暴走を受け止める。
パチッ
ドンッ
パンッ
乾いた空気に
ゆかがのっちを撃つ、音だけが響く。。
もう、やだ、、、、
「 」
えっ?
声は届かなかった。
興奮状態のあたしの耳に、その声は届かなかった。
けど
かろうじで目に映った、その唇の動きが
ゆかに響いた。
う そ だ よ ?
バカみたいに、のっちを撃ちつけていた手が止まった。
ねぇ、うそって言った?
言ったよね?
なにが?
どっからが?
閉じられていた、のっちの瞳がそっと開かれた。
今日、初めて
のっちが、ゆかのこと、ちゃんと見てくれた。
なにを、どう言ったらいいかわかんなくって
「え?」とだけ、聞き返す。
「うそ、だよ」
今度はちゃんと、聞こえた。
最終更新:2010年11月06日 01:53