◆C-side◆
のっちの頬には真っ赤な手の平の跡が付いていた。朝ご飯の間、のっちは一言しか話さなかった。
「はぁ〜美味しい幸せ」
この一言だけ。あとはずっとお姉ちゃんにビクビクしながら、ご飯を頬張ってた。
のっち朝弱かったんだ。なんか甘える可愛い一面が見れた。そして怒ったお姉ちゃんは久々に見た。恐かったなー。
とりあえず、分かった事がある。のっちとお姉ちゃん、この一見ラブラブカップルはのっちがお姉ちゃんに頭が上らないという事。恐妻家な王子様…なんか笑えるね。
◆A-side◆
朝からあの変態のっちは…。まぁ寝ぼけてたんだろうけどさ。
学校に行く準備を終え、三人は家を出た。久々の中学校の制服だ。あー懐かしいなー。
「お姉ちゃん、テスト頑張ってね!」
凄く嬉しそうなちゃあぽんの笑顔。そうだ、今日から中学校ではテストが始まるらしい。
「うん、ちゃあぽんは…無理しないでね。ゆかちゃんに言ったから何かあったら頼ると良いよ」
「うんっ!」
本当に嬉しそうだ。不安なんて全く無さそう。早く高校生になりたいって言ってたもんね。だからか。
そんなこんなで、途中まで一緒に登校する事に。
その途中、ちゃあぽんの友達と会った。あ〜ちゃんの顔を見るなり走って来た。
「ちゃあぽん昨日どうしたの!?」
「朝起きたらおらんけぇビックリしたじゃろ!」
「あ!あ〜ちゃん先輩とのっち先輩だっ!」
「お、おはようございます!」
うわー朝から元気で若くて眩しいや。そんな事より、謝らなきゃ。のっちはニヤけて「おはよー」とか言ってる。この変態は年下も許容範囲らしい。
「昨日ね、なんか体調悪くて家帰ったんよ…一応メモ置いといたんだけど」
と苦しい言い訳。って…みんな、聞いてないし。皆のっちをガン見し過ぎだよ。しかも皆目がハートだよ。気を付けてね、その先輩、綺麗な顔して頭の中はモザイクだらけだから。
◆
途中でのっち達と別れ、あ〜ちゃんは二年振りの中学校へ。いやー懐かしい。何も変わってないね。
「てか、良いな〜ちゃあぽん」
「え…何が?」
「お姉ちゃん美人だし〜」
あ〜ちゃんの事…だよね。うわー素直に嬉しいね美人だなんて。なんか照れる。
「のっち先輩と仲良いし〜」
…やっぱりそっちか。のっちのくせにモテ過ぎなんよ。
「ねぇねぇ!ちゃあぽんのお姉ちゃんって、のっち先輩と付き合っとるん?」
うわーまた何処かで聞いた事ある質問だ。クラスの子やらに何度聞かれた事か。
でも、もう堂々と答えれる。のっちが証明してくれた。あ〜ちゃん達は特別な関係なんだって。だから…
「うん、そうだよ」
恋人同士です。ちょっと恥ずかしいけど、そう言うと、皆ビックリして目が真ん丸に。そんなに驚く事かなぁ?
「やっぱり…」
「あーとうとうのっち先輩が誰かの物になっちゃったのか…」
おーい。あからさまに皆ヘコみ過ぎ。しかも誰かの物って…のっち物じゃないし。
「でも、お似合いだよね」
「ねー二人でいると絵になるし」
「のちあ〜のちあ〜!」
お、皆が皆否定的では無いみたい。お似合いとか…なんか照れちゃう。最後のは良く意味分かんないけど。
◆N-side◆
あ〜ちゃん達と別れ、いつもの交差点でかっしーと合流。
「ちゃあぽん大丈夫、ゆかが付いてるから安心してね」
かっしーは体が入れ替わっちゃった事、知ってるみたい。心強いねかっしー。ちゃあぽんも信頼しきってる。
「ねぇかっしーはさ、あ〜ちゃんにいつ聞いたの?」
「昨日の朝だけど…?」
かっしーの言葉に、悲しみと僅かな怒り。なんでかっしーのがのっちより先に知っとるんよ!あ〜ちゃん順番が違うでしょ順番が。一番にのっちでしょ。
「のっち、嫉妬?」
かっしーがのっちの顔を覗き込んだ。相変わらず可愛いお顔してること。だけど、そうだよ。
「そりゃあね、嫉妬もしたくなりますよ…」
だって知ったの今日だよ今日!かっしーにあってのっちに無い物って何?ねぇ何なの教えて神様。
◆C-side◆
今、あたしは憧れの女子高生なんだ!ヤバいどーしよテンション上がっちゃう。授業はちょっと不安だけど、凄く楽しみだなぁ。
玄関に入り、お姉ちゃんの下駄箱を探して靴を履き替えた。ラブレターは無し。あたしのは毎朝ラブレター入ってるけどね。チラッと見ると、有香ちゃんも無し。高校生ともなると、ラブレターなんて書かないのかな?
遠くでのっちの悲鳴がした。「どぅわっ」て悲鳴っぽく無いけど。駆け付けると、床に大量のラブレターが散らばっていた。慌てて掻き集めるのっち。まさか、ここまでとは…。
「のっち凄いでしょ?」
有香ちゃんが笑う。あたしはただ頷いた。
こんなモテモテな恋人を持つお姉ちゃんも、苦労するね。
◆2-11:End◆
最終更新:2008年10月12日 19:56