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翌日になり、樫野は大学に行った。もちろんあのメガネはかけたままだ。

レポートを提出するために教授がいる準備室へと向かった。

この教授の人柄は学生の間ではかなり評判が悪い。
学生が一生懸命書いたレポートを本人の前でバカにし、笑うことなど日常茶飯事だ。
しかもこの授業は必修なので、避けては通れない。

当然樫野も西脇も大本もこの教授を嫌っている。

嫌そうな表情をしながら樫野は準備室のドアを開ける。

「失礼します」
「はいこんにちは。ええと君は樫田さんだっけ?」
「樫野です」
「うひゃひゃ。冗談だよ」

教授は相変わらずの態度だ。

「レポートを提出しに来ました」
「はいはい」
「では失礼します」
「あ、ちょっと待って」

教授は樫野を呼び止めた。
樫野は聞こえないように舌打ちをする。

「君がこの前書いたレポートだけど、小学生でももっとマシな文章書くよ」
「はあ…」
「小学校からやり直した方がいいんじゃないの?あひゃひゃ」
「…」
「でも外見は立派な大人だな。ファッションといい色気といい。うひゃひゃ」
「…」
「まあ次のレポートもせいぜい頑張ってよ。もう帰っていいよ。バイバイ」
「失礼します!!」

樫野は急ぎ足で準備室を出た。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

「ああもうムカつく!」

樫野は洗面所で手を洗いながら声を発した。
隣には先ほど合流した大本がいる。

「てか何であの教授クビにならないんだろう?」

大本も本音を漏らす。

「なんかあの人この大学内ではかなりの権力を握ってるみたいよ。誰も文句を言えないとか。ていうかあの教授本当にムカつく!あぁー腹立ってきた!」

樫野は声を荒げた。

「ゆかちゃん落ち着いて」
「死ねばいいのに。てか殺しちゃえ」

樫野は洗面所の鏡に向かって叫んだ。

すると樫野の表情が一変した。
目は冷たくなり、暖かさをまるで感じない。
完全に冷め切った表情である。

「ゆかちゃん?どうしたのゆかちゃん?」

大本が話しかけても樫野は返事をしない。

「あの教授を殺さなきゃ…!」

樫野はそう呟くと洗面所を飛び出した。

「ゆかちゃーん!ゆかちゃーん!」

大本が呼び止めたが、今の樫野には効果がなかった。

つづく。





最終更新:2010年11月06日 02:58