ここはとあるアパートの一室。樫野の自宅だ。
樫野は風呂から上がったばかりで、ドライヤーで髪を乾かしている。
インターホンが鳴った。
「はいはーい。今出ますね〜」
樫野がドアを開けても誰もいなかった。
「誰もいない。まさかピンポンダッシュ!?一体誰なのこんなイタズラをするヤツは!?」
樫野はドアを乱暴に閉め、文句を言いながら部屋に戻っていった。
しかし本当に誰もいなかったわけではない。
(うひひ…目的のゆかちゃんの家に潜入成功!)
透明になった大本がそこにいた。
インターホンを鳴らしたのは大本であり、樫野がドアを開けた隙に侵入したのであった。
(ゆかちゃんの髪が濡れてる。風呂上りか…。これじゃあお風呂が覗けないじゃん!もっと早く来ればよかった…)
大本はここにくる間、スカートを履いている女性を見つけては覗くなどの行為を行っていたため大幅に到着が遅れたのだ。
本来なら大本宅から樫野宅までは電車で20分もあれば来れるのだが、今回は2時間以上ももかかってしまった。
(まあいっか。以前3人で旅行に行ったときにお風呂が見れたし。今回は私生活を覗かせてもらおう!)
大本の目が企みの目つきに変わる。
樫野は髪を乾かし終わりノートPCの電源を入れた。
インターネットを使うようである。
(ゆかちゃんがネットを使い始めました!エッチなページを見て一人であんやことやこんなことをするのかな…!)
大本は自分の私生活と重ねて妄想をしてみた。
しかし樫野はショッピングサイトで靴や服等を眺めているだけであった。
(つまんない…もっとはっちゃけたことやってくれてもいいのに…)
大本は不機嫌になった。
PCに向かっている樫野と、それを眺める全裸の大本という絵がなんともシュールである。
ショッピングサイトを見終わった樫野は某巨大掲示板にアクセスした。
(えっ!?ゆかちゃんもこういうの見るの?ちょっと意外かも)
大本は大きな目をさらに大きくさせた。
樫野は早速どこかのスレッドにアクセスし、書き込みを始めた。
「だからお前は童貞なんだよww」
「負け組乙www」
「きめぇ」
「氏ね」
「ゆとりは帰れww」
大本は唖然としている。樫野は笑顔でノリノリだ。
樫野は次から次へと住人を煽るような言葉を書き込む。
(あたしは見るけど書き込みはあまりしないよ…。ゆかちゃんの小悪魔の本当の意味がわかったよ…)
小悪魔の範疇を超えている気もする。
樫野は一通り書き込みが終わるとPCの電源を落として寝室へ向かった。
(えっ?ゆかちゃんもう寝るの?早くない!?まだぜんぜんゆかちゃんの私生活を観察していないのに…)
大本は消化不良気味である。
(ゆかちゃんのあんなことやこんなことが見れると思ったのにな…)
樫野は部屋の証明を消してベッドにもぐった。
大本は頬を膨らませて不機嫌になったが、ある考えが頭に浮かんだようで表情が明るくなった。
(いいこと思いついた!)
大本の本能暴走劇場が、幕を開けた。
つづく。
最終更新:2010年11月06日 03:19