大本は帰宅すると、西脇に大学を欠席する旨のメールを送り、ケータイの電源を切って眠りについた。
透明人間なので当然出席が出来ない。
まあ大本の場合は授業をサボることもしばしばあるのでそれほど大きな変化はないが。
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場面は変わってここは大学構内。
1限開始直前であり、樫野と西脇がすでにいる。
「今日はのっち休みじゃって。さっきあ〜ちゃんにメールがきたわ」
「サボりなんじゃないの?ゲームのしすぎで朝起きれんとか」
「かなり朝早くメールが来たんよ。6時くらい」
「あのアホ朝6時までゲームしとったんか…」
大本が欠席することに、樫野と西脇は大きな疑問はないそうだ。
「そうそうあ〜ちゃん聞いて。昨日のゆかの家がちょっとヘンだったんよ」
「ヘン?」
「なんか物音がしたり、クローゼットが開くような音がしたり…あの女の人の声がブツブツとしたんよ!」
「こわ〜い!その家大丈夫なの?危ない物件とか?」
「脅かさんでよ!怖くて夜中寝室から出られなかったんだから」
その犯人が大本であることなど、誰も知るわけがなかった。
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夕方になり大本は目を覚ました。
完全に昼夜逆転の生活である。
大本は戸棚からカップラーメンを取り出してお湯を注いで食べた。
昼食になるのだろうか。
「昨日はゆかちゃんのおうちに侵入したから、今日の夜はあ〜ちゃんちに行こう!あ〜ちゃんのお部屋からどんなお宝が出てくるのか楽しみ…うへへへ…」
大本はだらしない顔をしながら妄想し、カップ麺を頬張った。
夜の9時になり、大本は自宅を全裸で出発した。
目的地は当然西脇の家である。
西脇の住むアパートに到着し、大本はインターホンを鳴らした。
ピンポーン
「はーいどちらさまですか?」
大本は面食らった。樫野家に入るときは何も聞かれず、いきなりドアを開けてくれたからである。
「えっ…あぁ…た、宅配便れす!お届け物れす!」
大本は慌てて返答したためにいつもの噛み癖が出てしまった。
「少々お待ちください」
なんとかなったらしい。マイク越しの会話に救われたようだ。
「ご苦労様です…あれ?」
誰もそこにはいないので西脇は当然疑問に思う。
正確には姿が見えないのだが。
(チャンス!)
大本はドアの隙間から忍び込み、西脇家へとゴールインした。
「なんなん!今どきピンポンダッシュとか古すぎるわ!!」
西脇はイラついてドアを蹴った。
(あ〜ちゃん怖い…なんか意外な一面を見てしまった気が…)
大本は部屋の隅へと移動する。
下手に立っていると西脇とぶつかる可能性があるからだ。
「そろそろお風呂に入ろう!明日も1限からだし、早く寝ないと」
(お風呂!一緒に入れるチャンス!)
大本の変態スイッチがオンになった。
西脇はパジャマを持って脱衣所へと向かう。
大本もそれに続こうと入ろうとしたのだが、ドアを閉められてしまった。
西脇からは大本の姿が見えず、一人しかいないと思っているので無理もない。
(タイミングを逃しちゃった。でも自分で開ければいいんじゃん!)
大本は脱衣所のドアを開けた。
半脱ぎ状態の西脇が中にいた。
「キャー!ドアが勝手に空いた!」
西脇が叫びながらドアを閉めた。当然の反応だ。勝手にドアが開けば誰だって驚く。
ドアは再び閉まってしまった。
(やばい!のっちは透明人間だから下手に動けないや…)
またドアを開けることも出来ないので、入浴観察はあきらめることにした。
しかし、大本には別の案が浮かんだ。
(ふふふ…あ〜ちゃんがお風呂に入っている間にタンスの中を漁っちゃおう…うへへへ…)
今風呂に入ったばかりなので1時間は上がらないだろう。女性の風呂は長い。
大本はタンスの前へと足を運んだ。
つづく。
最終更新:2010年11月06日 03:27