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「あたしの…体が見えてる!?」

透明で見えないはずの大本の体が、しっかりと目に見えるようになっていた。
全裸でいるため、目に触れてはいけない部位までもが丸見えだ。

「効果が切れたの?でもビンにはしっかり効果は1週間って書いてあったけど…」

確かに1週間と書いてあった。
しかし正確には“約1週間”と記載されていた。

「まだこれ飲んで2日しか経ってないのに…!」

いくら“約”といえどもこれはちょっとひどい。
しかし、怪しげな商人から買ったものなので、いい加減な記載である可能性も高い。

「それよりどうしよう…ここから歩いてお家まで10分はあるよ…」

10分も歩けば、いくらこんな早朝でも誰かと遭遇する確率は高い。
言うまでもなく大本は現在全裸である。見つかったら通報モノだ。

「こうなったら物陰に隠れながら慎重に帰ろう!」

大本は胸と股間を手で隠しながら電柱の陰に隠れた。

「よし!誰もいない!」

大本は素早く移動し、ゴミ捨て場の陰に身をかがめた。

「大丈夫かな…」

大本が顔を出した瞬間、向こう側から通行人が現れた。
すぐに再び身をかがめる。

「危なかった…今飛び出したら見つかってたよ」

見つかったら人生を揺るがしかねない。
それだけに慎重になる。

人が誰もいないことを確認してすかさず素早く移動する。
まるで忍者だ。

本来は大通りを通って帰るのが近道であるのだが、人通りが多いため裏道を使って帰ることにした。

「はぁ…遠回りだな…でも仕方ないか…」

道路端の茂みに隠れて大本は呟いた。




ここは長い一本道だ。
隠れられるようなものはない。

大本は一気に走り抜けた。裸足で走るのは足の裏が痛い。
しかし今はそんな贅沢を言ってる余裕などないのだ。

止めてあった車の陰に身を潜める。

「ハァハァ…!一気に走ったから疲れたよ…」

大本は汗だくだ。
早朝とはいえ、真夏なので暑い。

車の陰に座って、隠れると同時に呼吸を整える。
ここから自宅まであと2、3分も歩けば辿り着ける。
もう少しでゴールだ。

トントン

誰かが大本の肩を叩く。
もちろん大本は驚き、恐る恐る後ろを振り返る。

「キミ!そんな格好でなにしてんの!」

その男の格好を見て大本の顔は一気に青ざめた。
なんと、その男は警官だったのだ。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

それから数日後。

西脇の家の空き巣騒動は何も盗まれていないことや、
ドアにチェーンが掛かったままであり、何者かが外から侵入した形跡が全くないことから、
事件として捜査されることはなかった。

西脇も事件発生当初はパニック状態であったが、現在は落ち着いており、
普通の生活を営んでいる。

大本はその後警察に連行されたが、大学生の悪ふざけとみなされたこともあり、
逮捕には至らず厳重注意で済んだ。
まあ彼女のルックスとスタイルにも助けられたのだろうが…。

しかし、実家の両親には当然ながら連絡がいったため、大本はこっぴどく叱られた。
また大学にも連絡がいき、その結果大本は1週間の停学となった。
透明人間の薬を飲んだとは周りには言えなかった。
樫野、西脇両名の家に忍び込んだことがばれると、住居不法侵入で本当に捕まってしまう。

またあの謎の商人の騒動に巻き込まれた3人であった。

しかし、この後さらに衝撃的な事件が3人を襲うのであった。

第2章【秘密】完

第3章【化身】へ続く





最終更新:2010年11月06日 03:50