Side A
お父さんが帰ってくるなら、さっきの話お父さんに聞いたほうが早いかも
「あやちゃぁんwやっぱフルーツは美味いなーw」
頬にえくぼをつくりながら、嬉しそうにほうばる姿は、娘のあたしが言うのもなんだけど、、可愛ぃ、、
「あのさ、ちょっと聞きたいことあるんけど」
「ん?なんじゃ?」
「『リニアモーターガール』が世界を滅ぼすって、どういうこと?」
「んん?なんじゃその話は?」
「今日ね、ばあちゃんが言うてたけぇ」
「ああwそういうことかw」
「あやちゃんは、なんで古代『エレクトロワールド』が崩壊同然になったか知っとるか?」
「え、なんかエネルギーがどうたらこうたら、って聞いたことあるけど?」
「エネルギーが暴走したってやつだな?」
「たぶんそれじゃ」
古代『エレクトロワールド』は、膨大な量のエネルギーですべてが機能していて
そのエネルギーを生み出していたのが『リニアモーターガール』。通称『リニア』と呼ばれる女の子なんだって
その強力すぎるエネルギーが、何かが原因で暴走した。そう聞いたことがある
「アレには他にもびっみょ〜にぃ、違う説がいくつかあるんじゃわ」
「そうなん?」
「そうじゃ。ばあちゃんが言うとったのは、エネルギーは暴走したんじゃのぅて、彼女らが故意的に世界を壊すその力を使ったちゅう説のこと言うとるんじゃろ」
「ふ〜ん、、そういうことか」
でも、まだハッキリしてないってことか…
…というか
「彼女らって?『リニア』って一人じゃなかったん?」
前に聞いた時は、確か一人って言ってたと思うんだけど…
「おお!ずっとそう語り継がれてそう思われとったんが、実は!…」
「…なんよぉwもったいぶらんで言うてよぅw」
「すまんすまんwついなwついw」
「まったくぅ、、」
「えー、コホン、、」
「あのだな?今回氷付けで見つかった女の子は、二人だったんじゃわ。つまり!その時代の『リニア』は二人居たっちゅうことじゃw」
「…てかさー。なんでその子らが『リニア』じゃーいうて分かるん?」
「あやちゃん今そこ聞いちゃう?w」
「だって、気になったんもん」
「んー、ヨシ!ほんだら、今日はトコトンあやちゃん分からんこと、父さん答えちゃるぞぉ?」
お父さんは遺跡の話をしだすと、いつも止まらなくなる
今までは、途中で飽きちゃって寝ちゃってたんだけど…
今回は不思議と眠気は襲ってこない
でぇ、、なんで彼女たちが『リニア』と確証できるのか
それは、彼女たちが見つかった場所がポイントらしい
以前に見つかっている、お城の図面。そこに描かれている地下のある場所
その場所でエネルギーを生みだし、蓄えられていた
まさにその場所
『リニア』のみが入ることが出来るというその場所で、二人が見つかったことから、間違いないと断定されたらしい
「どうやってエネルギーつくっとったん?」
「あやちゃぁん…今日まで父さんの話、ほとんど聞いとらんかったじゃろw」
「うん。ぶっちゃけ聞いとらんかったw」
「たははw」
だって、しょうがないじゃん
眠くなっちゃうんだから…
「ダンスじゃよ」
「へ?」
「仕組みまでは解明されとらんが、彼女たちのダンスが『エレクトロワールド』すべてのエネルギーを生みだし動かしとった。それはどの語り部にも共通しとる」
「たった、二人で?」
「そうじゃ。まぁ、その時代はたまたま二人じゃったって、思った方がええかもしれんなー。ずーっと語られてたように、本来は一人のはずじゃけぇのー」
「見つかった子達って、いくつなん?」
「あの子たち多分、あやちゃんと同じくらいの年じゃ思うけど」
あたしと同じ…
まだ大人にもなっていない二人の女の子が、世界を支えていた
それはとても壮大過ぎて、あたしに理解できるものではなかった
しかも、続く話を聞くと、『リニア』は100年毎に誕生するらしく、その寿命は普通の人より短いらしい
だから、100年後までのエネルギーも、彼女たちが賄わなくちゃいけない
彼女たちは
『世界』のために生まれて
『世界』のために生きて
そして、生涯を終える
でもそれって
幸せなコトだったのかな?
確かに『世界』を支えるという、大事な役割を担ってはいるけど…
『世界』はそれで平和で快適になっていたのかもしれないけど…
彼女たち個人の意思は?
『世界』の犠牲になっていたんじゃないの?
そう思うと、自然と胸の辺りがきゅっとなった
…と言っても
今の時代を生きるあたしが思ったところで、どうなることでもないけど…
「あ、同い年くらい言うたら、そん時の王女様もそうじゃったわw」
「王女様?」
「そうじゃぁ?ちなみにあやちゃんの名前は、皆から愛されとったその王女様から貰ったんよw」
「マジ?それ初耳なんじゃけど」
「そりゃ、初めて言うたけぇw」
前に名前のこと聞いたとき、違うこというとらんかったっけ?
「それとじゃなぁ、、」
「まだ、なんか言っとらんことあるん?」
「ややwそうじゃなくてな?もう一つ、説があるんじゃわ」
「なんの?」
「じゃけぇ、『エレクトロワールド』が何で崩れたか。一説には王女様も絡んどるちゅう話もあるんじゃ」
「え?」
王女様が何で?
自分が治めるはずの『世界』を崩壊させる必要があわけ?
「王女様が女王になる時に授かる『証』」
「なんそれ?」
「その『証』は何より権限を有しとるけぇ、たとえ彼女らが力を使おうとしても、それを止めることが出来たっちゅうことじゃ」
「けど、、それをしなかった?」
「そう!じゃけぇ研究者の中じゃと、それが一番『世界』を崩壊寸前までもたらした理由じゃ言われとる。それと同時に、一番の謎でもある…」
確かに…
「大勢の国民から愛され、そんで愛しとった人がなんでそれを許したかってことじゃ」
それが本当だとしたら…
「お父さん、あたし、『彼女』たちに会いたい」
「お?『リニア』にか?」
「うん」
どうしてなのか知りたくなった
なんのために、守るべきものを壊すことが必要だったのか
翌日、、
あたしは『リニア』に逢うことになった
—つづく—
最終更新:2010年11月06日 03:56