【のちさいど】
「ね!おいしいでしょ、ココのケーキ!」
あ〜ちゃんをココに連れてこれてよかった。ゆっくりできる雰囲気だし、ケーキも紅茶も美味しいし
「でも、のっちがこんな店知っとると思わんかった」
あ〜ちゃんは苺のタルトを口に運びながら言った(その仕草も可愛いんだコレが!)
「前に、ゆかちゃんと来たんよ」
「・・・・・・へぇ」
あれ?空気変わった?
「ほら、あ〜ちゃんが来れないって言った日」
「ふぅ〜ん・・・・」
どうしたのだ・・・この重苦しい空気は
「帰りにもう一回寄って、お土産にしよっか」
「誰の?」
「ちゃあぽんとたかしげとゆかちゃん」
「・・・・・・・・・」
「ちゃあぽんとたかしげにはあ〜ちゃんから渡してもらって。ゆかちゃんにはクッキー買っていって明日学校で渡すよ」
「いいけどさ、じゃあ帰りに一緒にゆかちゃん家行けばいいんでない?」
おお、ちょっと空気のHPが回復した
「あ・・・あたしちょっとゆかちゃんに話したいことあるから、明日そのついでに渡す・・・つもりで・・・」
あたしが話している間に、空気が瀕死した
【あ〜さいど】
さっきから、ゆかちゃんばっかりなんですけど
しかも、ゆかちゃんに話しかあるって何なんよ・・・
「のっち、ゆかちゃんの事、好き、なん?」
「なんで、いきなり」
のっちは軽く笑う
「だって、学校でものっちとゆかちゃんはずっと噂になっとったし。2人きりでこんなトコにも行くし」
「それは・・・」
「しかも、のっち、ゆかちゃんに話があるって・・・・」
のっちは優しく微笑んで、手を伸ばしてあたしの髪飾りを整えながら
「そりゃあ、明日はゆかちゃんに話しなきゃ。“無事にあ〜ちゃんに気持ちを伝える事ができました”って」
「え?!」
「っっっ!!!!」
のっちは目を見開いて、自分で自分の口を押さえてた。それから
「ちがうっ!違うんよ!!もっと夕方ぐらいで言うつもりやったんよ!!」
「のっち・・・」
目の前でこれだけ慌てふためかれると、若干哀れに見えてきた
「あぁ〜」
しかものっちは露骨に頭を抱えて凹んだ
「あの〜のっち?」
「う“ぅ”・・・・がんばったのにぃ〜」
す、すでにちょっと泣いている・・・。というかあたしはどうしたらええんよ・・・
「え〜っと・・・のっちはあたしの事が好き、なんだよね?」
なんで、こんな恥ずかしい事自分で言わなアカンのじゃろ・・・?でものっちはもう瀕死状態だったから、こうでもしないと会話が進まない
「うん」
「そうか」
「のっち、今日告白しようと思って、張り切ってたのに〜」
涙目でそんなこと言われても・・・
「昨日からいろいろ考えてたのに〜」
「ごめんあ〜ちゃん。今日、今までの人生で一番カッコ悪い日だ・・・」
「別に結構いつもと一緒よ?」
アホさは3割り増しだけど
「そうなのかぁ・・・」
あ、よけい凹んだ
「でっでも、あ〜ちゃんはそんなのっちが好きって言うか」
「え?」
「あ、いゃ、だからそんなに凹まんでも・・・」
「あ〜ちゃんがのっちの事、好き?」
そんな純粋な目で聞き返されると、なんとも恥ずかしい
「う、うん」
「へへへ・・・じゃあ、付き合ってくれたりする?」
【のちさいど】
「・・・・・・・・」
あ〜ちゃん・・・のっちのこと好きって言ってくれたのに、何も喋んなくなっちゃったんですけど
まさか、付き合うとかそーゆー“好き”じゃない、とか・・・?
「のっち・・・あ〜ちゃんのことどれくらい好き?」
「計れないくらい、好きだよ」
不思議な質問に直感で答えてしまった・・・。
でも“どれくらい”って聞かれて、“あの人より好き”だとか“世界中の誰よりも”だとか、そんな風にあ〜ちゃんは誰かと比べられるような存在じゃないから
あ〜ちゃんはゆっくりと視線を上げて、あたしの顔を見た
「あ〜ちゃんも、のっちのこと、計れないくらい、好き」
あ〜ちゃんの顔があまりに赤くて、あたしはちょっとビックリした
あたしの頭が、ゆっくりと言葉の意味を理解しだす
両思い・・・
あ〜ちゃんがあたしのこと、好きだって・・・
わっしょーーーーい!!やった!やった!やった!!
やりました!ついに!
「のっち・・・ニヤケすぎ、気持ち悪い」
「そっそりゃあ、ニヤけるよ!嬉しいもん!!」
「のっちさぁ、ホントは何て言って告白する気やったん?」
聞きますか?聞きますかあ〜ちゃん!あたしが1年と3ヶ月をかけた言葉を!!
「そろそろ西脇っていう苗字も飽きたろ。大本にしてみないか?」
「のっち、頭大丈夫?」
撃沈した・・・
最終更新:2008年10月12日 20:14