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「ねえ今度の日曜日にウチの近くの川原でバーベキューやらん?」

西脇がカシスオレンジを片手に他の3人に提案した。

ここは西脇らが通う大学の近くにあるチェーン店の居酒屋。
西脇、樫野、大本、ニセ脇の4人が小さな飲み会を行っていた。
ニセ脇も樫野、大本の両名とも仲良くなり、4人で一緒に遊ぶことも多くなっていた。

「いいね〜やろうやろう!」

大本が焼き鳥を咥えながらはしゃいだ。

「道具とかあるん?」

樫野が西脇に話しかけた。

「あ〜ちゃんが持っとるんよ。ウチから川原まで歩いて3分くらいやし、みんなで運べばOKじゃろ」

西脇は話した後、持っていたカシスオレンジを飲み干した。

「あそこは普段人があまりいないし穴場だね」

大本が目を輝かせている。

「なんかまたメンドくさそうだな…」

ニセ脇が相変わらずの態度でいる。

「あんたも参加するんよ!料理くらいしか取柄がないじゃろ!」
「うるせーな!おめぇも結構口がわりぃぞ!」

同じ顔同士の小競り合いが始まった。

「ふふふ…なんだかんだで仲がいいのね。やっぱ分身だから?」

樫野が微笑ましそうに2人を見ている。

「うぅ…」

大本は少し寂しそうだった。




それから数日が経ち、バーベキュー前日の土曜日になった。

「はあ〜なんでこんなイヤな天気になるん!」

西脇が嘆いている。
外はあいにくの雨だ。
明日までに止めばいいのだが。

「バーベキューは無理だろうな」
「楽しみにしてたのに…ていうか綾香はお風呂に入らなくてええの?」
「あっしは風呂は嫌いなんだよ」
「まだ1度もお風呂に入ってないじゃろ!汚いよ!」
「うるせーよ。それよりも天気予報だと明日も雨だぜ。面倒なことをしなくて助かったぜ!」

ニセ脇がニヤけながら口を開いた。

「スッゴいムカつく!ムキーッ!」

西脇は野生動物のように吠えだした。

「あひゃひゃ!明日は雨だざまあみろ…」
バシッ!

乾いた音がすると同時に、ニセ脇が吹っ飛んだ。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

バーベキュー当日になった。
川原では4人の女の姿があった。

「ちょっ!のっち!トウモロコシが焦げとる!」
「あれ〜?肉がないよ?」
「あちゃちゃ…熱い…」

前日の天気とは打って変わって、見事な快晴となった。
4人は楽しくバーベキューに勤しんでいる。

「ほら、肉が焼けたぞ。食え!」
「綾香ちゃんありがとう!いただきま〜す」

大本がニセ脇から肉を受け取り、美味しそうに頬張る。

「なんじゃ綾香。楽しそうやん」
「え、ああ…料理が楽しいだけだっつーの」

ニセ脇がぶっきらぼうに答えた。

「あ〜ちゃ〜ん!まだお酒あるよ〜」

樫野が缶チューハイを持った手を降って西脇に合図をする。

「そうじゃね!今日はいっぱい飲むぞー!」

西脇は樫野から巨峰サワーを受け取った。

「飲みすぎて調子に乗るんじゃねーぞ」

ニセ脇がボソッと呟いた。

このニセ脇の予感が当たるとは誰も知らずに…。

つづく。





最終更新:2010年11月06日 14:23