Side K
私たちが出会ったのは、11歳の時
神官であるヤスタカ様の夢見の力で、この時代に『リニア』が誕生していて、『覚醒』も数年のうちに起こるというおふれがあって、『リニア』の血を引く者たちが集められた
そして『覚醒』…
初めての覚醒は、10歳から15歳の間に起きると言われている
私達は、そのどちらにも当てはまっていて
「あ、のっち!」
「わ、ゆかちゃん」
「のっちんちもリニアだったん?」
「うんw」
この日初めて、幼馴染ののっちも自分と同じリニアの家系であることを知った
そして、王女様であるあ〜ちゃんに初めて会ったんだ
初めて入ったお城にドキドキワクワクで、前で話してくれている王の言葉も気持ち半分で聞いていて、、
ふと目に留まったのは、その王の隣で私たちのことをよく見ている、自分と同じ目線の女の子
私と目が合ったその子がニコって笑って、小さく手を振ってくれた
嬉しかったのに、その時の私は恥しくてお母さんの後ろに隠れたっけ…
でもすぐに、また顔をひょこっと覗かせると、またニコって笑ってくれて、今度は私も同じようにニコって返せた
「ゆかちゃん!のっちアヤカ様と目ぇあっちゃった!」
「ゆかもぉw」
「なんか、映像で見るより可愛かったね?」
「ほんまじゃね」
ホントに可愛くて、一気にあ〜ちゃんへの好奇心が沸いてきた
皆を惹きつけてしまうその魅力に、見事に魅せられてしまった
その日から週に何度かお城に通って、リニアに必要なダンスのレッスンを受けることになった
いつ『覚醒』が起きても良いように、地下にあるリニアの部屋で行われていた
この部屋は特別な造りで、先代のリニアが蓄えたエネルギーも管理されている
そのエネルギーはとても大きなモノで、部屋に居るだけでも普通の人は影響を受けてしまう
だからこの部屋にはリニアの血を受け継ぐ者と、特別な力を持っている者以外は立ち入り禁止になっていた
Side A
初めてリニア候補の子たちがお城に来て、同い年くらいの子と接する機会が少なかったあたしはワクワクしていた
と言っても遊びに来るわけじゃないから、ゆっくり話す機会はなくて少し残念
だけどやっぱり気になって、地下へ続く入り口の前をウロウロしていたっけ
そこの扉にはロックが掛かっていて、権限がなければ入れないようになっていたから
その時のあたしに、まだ権限はなかった
その日リニアの部屋に来ていたのは二人
もしかしたら、なんて少しの期待を胸に待っていると機械音が聞こえて、自分では開けることのできないドアが開いて、そこから出てきたのが
のっちとゆかちゃんだった
ここが、あたしたちの始まり…
「あやのちゃん、と、ゆかちゃん、だよね?」
まじまじと顔を合わせるのは初めてだけど、会えることを楽しみにドキドキわくわくしながら、リニア候補の子たちのプロフィールだけは何度も読み返したから、名前と顔もしっかり覚えていた
そんなあたしに、少し警戒気味に頷く二人
「あの、、友達に、なってくれる?」
今度は、お互いに顔を見合わせてから
「「うんw」」
凄く嬉しそうに答えてくれたのが、とても印象的だった
Side N
あ〜ちゃんから、、まさか王女様から「友達になってくれる?」なんて、ビックリもビックリで…
でも、あたしもゆかちゃんも、とても可愛い王女様に声を掛けてもらえたことがめっちゃ嬉しくて、ふたつ返事で頷いた
それから、あたしたちがお城に来る時には三人で遊ぶようになった
少し予定より早く来たり、休憩の時間とか、帰る前にとか、、
あ〜ちゃんは、他の子たちにも声を掛けたみたいだけど、一番年が近いからかあたしたちと一緒のことが多くて
数ヶ月後、気付けばゆかちゃんと変わらないくらい仲良くなっていて
呼び方も、友達だから『アヤカ様』じゃおかしいって『あ〜ちゃん』になった、
「ねぇあ〜ちゃん」
「なに?」
「うちらが『リニア』になったら、ずっとお城に居られるんじゃろ?」
「うん。父様がそう言うとった」
「じゃあ、がんばって『リニア』んなれたら、ずっとあ〜ちゃんと一緒にいられるん??」
「うんw」
「ヤッタァwのっちがんばって『リニア』なろうね?ほんで、お城に住んじゃお?」
「住んじゃえ住んじゃえw」
なんて、、
この時のあたしたちは、何も分からないまま、ただ一緒に居たいって気持ちでそんな話をしていたんだ
あんな思いするなんて、思ってもみなかったんだ
—つづく—
最終更新:2010年11月06日 14:33