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ニセ脇はクロールで泳ぎ、流されもがいている西脇に追いついた。

「おい、しっかりしろ!」

ニセ脇は西脇を抱えた。

「ありがとう綾香…」
「無理に喋らなくていい」

ニセ脇は西脇を抱えながら大本と樫野がいる川岸とは逆の川岸に向かって泳ぎだした。
西脇が流されたため、そっちの岸の方が距離が近くなっていたためである。

「あ、あれ…?」
「なんだ?今喋るなと言ったろ」
「ち、違うの!」

西脇はニセ脇にしがみつきながら話し出した。

「綾香の体がどんどん透明に透けていってる…。肌が透明になりそうだよ…」
「…」
「なんでなん!なんで…」
「今は喋るな!後で理由は話すから…」

ニセ脇はそう話すと2人とも言葉を発さなくなった。
ニセ脇は黙ったまま泳ぐ。

◆

「あ〜ちゃんと綾香ちゃん2人とも無事だよ!」

大本が感嘆の声を上げる。

「よかった…本当によかった…」

樫野は喜びで泣きそうだ。

「2人とも向こう岸に泳いでいったからあたし達もあっちに行こうよ!」
「そうじゃね。川原から外に出て、橋を渡ろっか!」

向こう岸に行くには一度川原から上に上って外の道に出て橋を渡らなければならない。
大本と樫野は階段を上り、川原を出て上層部の道路に出て、橋に向かって走っていった。




ポツポツ…
ザー!

いきなり雨が降り出した。
さっきまでの快晴が嘘のようだ。

「うわーすごい雨!」
「昨日天気悪かったし、無理もないかもね…」
「とりあえず向こう岸に行こう!あ〜ちゃんと綾香ちゃんが川岸に着きそうだよ!」

2人は雨に濡れることを気にせず、西脇とニセ脇を迎えに行った。

◆

「川岸に着いたぜ!」

ニセ脇は西脇の肩を抱えて地面に座らせた。

「ありがとう…綾香…」

西脇は頭を下げた。

「まあ別に。あっしは運動神経が抜群に高い仕様になってから」

さらりとニセ脇が答える。

「それで綾香。さっきの話の続きだけど…」
「…」
「ねえ!どうゆうことなん!さっきよりも綾香の体が透明になっとるよ!」

西脇の発言通りニセ脇の体の色はほぼ透明である。
体の向こう側の景色が見えかけている。

「ねぇ綾香聞いとるん!?あ〜ちゃんに話しんさいよ!」
「わかったよ…もうバレるだろうから正直に話してやるよ…」

ニセ脇は重い口を開きだした。

雨はさらに激しくなった。

つづく。





最終更新:2010年11月06日 14:37