「あついねぇ」
「あついねぇ」
「でも、ちょっとはまし?」
「日が暮れただけ、ね」
「ちょっと、風も出てきたし」
「ん」
あたりは薄暗くって
遠くぼんやり、橙色が見える。
ん?あれは、1番星か?違うのか?
「あ、ね。のっちの、一口ちょうだい」
「いいよぉ、はい」
右手のソーダアイスを、ゆかちゃんの口元へ。
「んー、おいし。やっぱ、さっぱりするね」
「うん。あ、ゆかちゃんのも、ちょうだい」
「ヤだw」
「なんでっ!?」
「ウソだよw」
そう言って、左手のミルクアイスを差し出してくれた。
「んー、あまいっ!もったりする」
「なにそれぇ。じゃ、もうあげないっ!」
「え、なんで!?褒めてんだよ!」
「それのどこが、褒めコトバなん?」
この季節の、この時間帯が、なんとなく好き。
なんだか、いろいろ曖昧、で。
時間や
空気や
温度。
境目がわかんなくなる感じ。
「あつっ、、つめたっ」
「え?」
「ん?いや、アイス、溶けてきた」
ペロっと、手のひらを舐める。行儀悪いね。
「なん、あつって言い間違えたん?」
あきれたように笑われるの、キライじゃないよ。
「あ、ゆかのも」
「なめてあげようっか?」
「キモイ〜w」
そう言って、同じように、ペロって舐めた。
「早く食べよ」
ちゃんと拭けばいいのにね。
いいオトナがなにやってんだか。
でもさ
離したくないんだよね?
繋がっていたいんだ。
じわっと汗ばんで、じっとりしてるんだけど。
昔は、そういうの気にして、そっと離してたよなぁ、、、
こういう変化ってどうなんかな?
てか、ゆかちゃんは気づいてるのかな?
気付いてるよね、ゆかちゃんのことだから。
のっちはさ、こういうの
悪くないと思うんだけど。
「あ、ね?今日は、どうする?」
「ん?」
「泊まってく?」
「あ、うん、、、でもこの前も泊まったし、、、」
「あ、帰んなきゃ、お母さんに叱られる?」
「じゃ、なくって、、、」
「なくっ、て?」
「・・・いいの?」
いいも、なにも、、、、なんで?
どうも、ゆかちゃんは、たまに、よくわかんない遠慮をする。
「ちゃんと、部屋着、洗濯したよ?」
「もちろん、アイスも買ってるし」
「それにほら、月もきれーだし」
「ふふっwなんなん、それー」
なにって。
ゆかちゃんと、夜も一緒に過ごすために口実に決まってんじゃん。
「で、どうする?」
「うんw泊まる」
「よしっ!」
あっという間に、橙は地球の裏側へ消え
ぼんやりとした、暗闇と静けさを連れてきた。
ぱたぱたと、左手で顔を仰ぐきみ。
あついね?
握り締めた手のひらが
あつくって
溶けそうで
2人の境目が、曖昧になってくみたい。
あついけど、悪くないよ。
「帰って、早くシャワー浴びたい!」
「だねぇ〜」
「あ、一緒に浴びる?」
「やぁだよっ!」
ぐっとひっぱられたかと思ったら
さっきまで、ぱたぱたしてたその手のひらで小突かれた。
「ゆかは、ご飯作るけぇ。のっちは、先に浴びてればいいじゃろ」
全身の体温、急上昇。
境目が消えちゃったよ。
あぁ、ぎゅっとしたい!
よし
帰ったら、まず抱きしめてやろう。
最終更新:2010年11月06日 15:31