「かっしー!!」
「あ」
「おはようw」
「おはよ」
「昨日なんかごめんねw」
「・・・あぁ。別にいいよ。ゆかこそ、怒鳴ってごめん」
「ううん。平気だよw」
偶然にもバス停でかっしーと遭遇。
あたしはいつもどおりの時間に登校したけど、今日のかっしーは少し遅め。
バス停から学校までは歩いて3分くらいの距離だけど、その間だけでも一緒にかっしーといられるのは嬉しい。
「あ〜ちゃんって、よくかっしーんちに行くの?」
「んー。まぁね」
「お兄さんも一緒に住んでるんだよね?」
「んー。そうね」
「かっしーと似てんの?写メとかある?」
「似てないし。写メないし。そもそも仲良くないし」
「あ・・・そうなんだ。ごみん」
「ごみんってなんだよw」
「えへへ」
「のっちって、なんか犬っぽいよね」
「えぇ!?それ中田くんにも言われるw」
「前から思ってたんだけどさ・・・」
かっしーは下駄箱の中から上履きを取り出して、ボコボコっと放り出してる。
あたしも同じ行動をとった。
「中田ヤスタカと付き合ってんの?」
「付き合ってないよー。よく訊かれるけどw中田くんは友達ってゆーか、幼馴染みたいなもんだよ」
「ふーん」
かっしーはボコボコっと放った上履きを器用に履く。
あたしはモタモタしてさっきまで履いてたローファーを蹴っちゃった。
「あ」
「ん?」
「噂をすればってやつ?」
かっしーが指差した方向を見ると学ランを来た中田くんの姿を発見。
笑えるほど学ランが似合わない中田くん。
「やっと来たねww」
「担任が毎朝電話掛けてうるさいから・・・来た」
「あっ、中田くん。この子が前に話した樫野有香ちゃん」
あたしは中田くんにかっしーを紹介した。
「あ。どうも」
「どうも」
お互いギクシャクした感じでなんか笑える。
「じゃ、ゆか先行っとるわ」
「あ。うん」
パタパタとあたしたちを残して先を行くかっしー。
変に気を使わせちゃったみたい。
「一時間目ってなに?」
「ん?えっとね、現国だよ」
「それって、寝てても怒られない授業?」
おいおい。
来て早々寝る気なのかよ。
学校来てる意味ないじゃん。
結局中田くんはお昼前に勝手に早退した。
それを知ったあ〜ちゃんは「ほんまやる気のない子じゃね」って呆れてた。
「中田ヤスタカっていっつもあんな感じなん?」
お昼休み。
いつものように机をくっつけてかっしーとご飯。
「ん?うん。あんな感じだよ」
「ボケーっとしてて何考えてるか、わからん人よね」
「そうかな?」
「そうよ。のっちもそんな感じだよね?」
「え?どんな感じ?」
「あんたも何考えてるかわからんもん」
「あぁ。それもよく言われるw」
「まー、楽っちゃ楽よねw」
それって良い意味?
褒められてるってことでいい?
「それは喜んでいいことなんですかね?」
「さー?ゆかに訊かれても困るけどw」
「だって、一緒にいて楽っていいことでしょ?」
「んー。いいことってゆーか・・・。気を使わなくていいって関係?んー。よーわからんw」
うは。
なんだそれ。
めちゃくちゃ嬉しい。
あたしはかっしーにとって気が休まるオアシスってやつでしょ。
「なんでニヤニヤしとるん?」
「えっ?」
「キモっ」
「うえぇぇぇ!?ひどくねw」
「ひとりでニヤついとるのがいけんのじゃろ!もう一緒にお昼食べたくにゃい!」
そう言いつつも、箸はすすんでるじゃん。
こういう掛け合いが出来る関係のこと言ってるんでしょ?
あたしはかっしーと一緒にいて楽しいよ。
最終更新:2010年11月06日 15:58