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「あ、いらっしゃーい」
「こんばんわ」


また今日も、おなじ店。おなじ席。


「今日は?いつもの?」
「あ、はい。ラテを。ダブルショットで」
「はーい。ちょっと待っててね」


おなじ飲み物。


ここのコーヒー美味しいしな。
みんな常連客ばかりで妙に居心地もいいし。


お決まりの席に座る。
窓から見える空には、星が出ていた。
目の前のガソリンスタンドの街灯がちょっと明るすぎるけど、
こんな街だ。それがないと、真っ暗だし。
前の道を、たまに通る車のライトが照らす。少し、目に染みる。
それをコーヒー飲みながら、ゆっくり眺めるのが日課だ。
星が出てたら、なお、最高。
こうやって一日の終わりにこの店で、この席で、
このコーヒーを飲んで、あの子の帰りを待つ。
なんて、最高。なんて、幸せ。





カランカラン〜


「いらっしゃいませ」
「あ、こんばんわ」


お店のドアが開く音につられて、視線を空から外した。




「のっち!」


ドアの前で一瞬ためらって、近付いてくる。


「あ、ちゃあぽん」


困ったように、笑った。


「のっち…、帰ろ?」
「ん?お姉ちゃんもう帰ってきたん?」
「…」


「…帰って、きてる、から。」


よし。じゃあ、帰ろう。
なんだよ。ここに寄ってくれればいいのに。
そしたら二人で歩いて帰れるのに。



「ありがとうございました」



マスターの声を背中で聞いて、
星空の下、あの子が待ってる我が家へ帰ろう。






最終更新:2010年11月06日 15:59