ちゃあぽんと居るのは、楽しかった。根がクールな子だから、一緒に居るのがすごく楽だったからかも知れない
「ゆかちゃんってさ、学校でネコ被るよね」
「ちゃあぽんに言われたくないんだけど」
「ほら、学校のイメージって“女神”じゃん?今は超“小悪魔”!」
ちゃあぽんは笑いながら言う
「ちゃあぽんだって学校では“優等生”で今は・・・・」
「今は?」
自分が言おうとした事に驚いて、言葉に詰まった
「今は・・・ただの人」
「ただの人、って」
ちゃあぽんはまた笑った
そうやって、ゆかの隣で平気で居られる内は、絶対言ってあげない
“今のちゃあぽんは王子様”だなんて
少し歩いて
「あの小物屋ちょっと見よっか」
「うん」
ちゃあぽんが入っていったのは、小さいお店。シンプルだけど可愛い、いかにも“ちゃあぽんって感じ”の店
「ゆかちゃんはさーもっとゴージャスなのが好きだよね?」
普段小物が多いからそう見えるのかな?
「んー別にこーゆーのも結構好きだよ?」
言いながら、シンプルな赤い指輪を手に取った。存在感もあまり強くなくて、学校にも付けて行けそうな指輪
「へぇ〜・・・あ!コレかけてみてよ!!」
渡されたのは黒縁の度が入ってないメガネ。特に断る理由も無いのでかけてみた
「・・・・・・・・・・・」
「何?自分が勧めたくせにー」
「いや・・・・すっごい可愛い」
ニコッと笑って言うちゃあぽん・・・あんたのが可愛いっつーの
「んじゃ、ちょっと先出てて」
ちゃあぽんはそう言ってレジに向かった
あたしは一人で店の外に出る・・・それまで、気付かなかったのが不思議だ・・・
向かいのケーキ屋さんには、
のっちと、あ〜ちゃんが、居る
のっちとあ〜ちゃんは順番に赤くなったり青くなったりしてた
「おまたせーって・・・・タイミング悪ぅ・・・」
出てくるなり、ちゃあぽんがため息とともに言う
見る限り、またのっちがヘマでもしたんだろう。でも、上手く行ってるみたいだ・・・・
よかった、・・・んだよ。これで
だから、あたしがこんな気持ちになるのはおかしいんだよ
「ねぇ、ゆかちゃん・・・」
「なに・・?」
ちゃあぽんの声で、少し目が覚めた
ちゃあぽんは、まっすぐにのっちとあ〜ちゃんを見つめて、落ち着いた声で
「あれ、壊しに行こうか」
「・・・・・・・」
「のっちとお姉ちゃんには悪いけど、ゆかちゃんがそうしたいなら」
「・・・・・・・」
「あたしが、全部壊してきてあげるよ?」
ちゃあぽんは、ゆっくりと視線をあたしに向けて
「どうする?」
優しく聞いた
あたしはフルフルと首を振った。自分でも弱弱しい姿だったと思う
「そっか、じゃあ、映画いこっ!!」
ちゃあぽんは笑って、あたしの手を引いて小走りしだした
ちゃあぽんにつられて、あたしも笑った。不覚にも、楽しいと思った
それともう一つ。やっぱりちゃあぽんは“王子様”ではなかったみたい(アレはやっぱりのっちのもんだね)
だってさ、誰かのために“全部壊す”って、悪の大魔王のすることだもん
最終更新:2008年10月12日 21:42