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なんだこの部屋。
めちゃくちゃ暑い。
外の方が涼しいんじゃない?
携帯を持つ手が汗ばんでしょうがない。

「あーづーいぃぃぃぃ!!扇風機だけじゃ涼しくなーいぃぃぃ!!」

この部屋の家主が一番風通しのいいフローリングの床に大の字で寝転んでる。
一応芸能人なんだけどそんなのを感じさせないTシャツと短パン姿。だらしない奴だ。
あたしは無視して今日の分のブログを更新する。

「今日はどんなこと書いたの?」
「何も書くことがないって書いた」
「なんだそれ?ブログの意味ないじゃんw」
「うるさいなー!のっちもいいかげん少しは更新したら?」
あたしの反撃が効いたみたいで、のっちはそれ以上突っ込んでこなかった。
少しおとなしくなったのっちは首が回ってる扇風機を自分の方向に止めて、「あぁぁぁ〜」って小学生みたいなことを始めた。
のっちがひとり遊びに没頭してるのを横目に、あたしは少しでも涼みたくて冷凍室を覗いた。

「あれ?昨日買ったアイスは?」
「ゆかちゃんが来る前に食べちゃったw」
「は?なんで食べちゃうの?」
「だ、だって。あまりにも暑かったから。つい食べちゃったw」
「もー!昨日言ったじゃろ!あれはゆかの分だから食べちゃダメだって!」
「そ、そうだっけ?のっち、知らなかったわw」
はいはい。完全に目が泳いどるよ。確信犯だな。

「もー、氷しかないじゃん!」
「じゃあ、氷食べようよw」
「やだ。なんか貧乏くさい!!」
「あー!ゆかちゃん、そんなこと言っちゃダメでしょ?氷をバカにしちゃいけませんw」

勝手にアイスを食べたくせに何言っとるん!
あたしは暑さのせいもあって、イラっとする沸点が低くなっている。
扇風機で遊んでるのっちの背中に氷を入れてやった。

「わひゃ!!」
変な声を出して驚くのっち。
暑い暑いって言ってるけど、急に氷が入ってきたら誰だってビックリするもんね。

「ゆかちゃん!!」
「イヒヒ」
「イヒヒじゃないよぉぉ。めっちゃ冷たかったけぇ」
「クーラー壊したのっちが悪いんじゃけぇ」
「壊したんじゃないもん!リモコンがなくなっちゃっただけだもん」
「使えないんだから、どっちでも一緒!」
あたしに責められてまたシュンとなるのっち。




「だからどっか涼しいところ行こうって言っとるじゃろ?」
空のグラスに氷を適当に入れて、しょげてるのっちに持っていく。

「外だとゆかちゃんとイチャイチャできんでしょ?」
「こんな暑い部屋でイチャイチャしたいの?」
「したいよ〜。あーん」
「なにその?あーんは?」
のっちは鳥のヒナみたいに口をパクパクしてる。

「氷食べさせてw」
「はいはい」
あたしは仕方なくそのパクパク口に氷を放る。

「んー、ちめたいw」
「やっぱり、ゆかも食べよっかな」
「あー!のっちが食べさせてあげる!」
そういってのっちは強引にあたしの口を開けて自分が食べてた氷を口移しで入れてきた。

「氷、冷たいでしょ?」
「・・・ぬるいよ」

「まぢで!?」
のっちのわざと大げさなリアクション。
それすごく暑苦しいよ。

暑苦しいのっちは氷で冷ましちゃえばいいんだ。

あたしはのっちに跨って、口に入ってる氷を咥えて首筋に押し当てた。
「つめてっw」
のっち、余裕ぶってるけど身体がピクって反応してるよ。

口の中の氷はすぐになくなっちゃった。
もう一度口に入れようとグラスに手をのばしたら。
のっちが先に氷を掴んでニヤニヤした。

はいはい。
口、開ければいいんでしょ?

のっちはあたしの唇を氷でなぞってから口に入れた。
てか、なんかそれってエロくない?
おかげで唇はびしょびしょなんですけど。

跨ってるあたしの腰を優しく抱いて「のっちにも氷ちょうだい」って甘えた声だしてきやがって。
今度はあたしから口移しでのっちに氷をあげた。

「なんかさ〜」
あたしからの氷を口の中でコロコロさせてる。
「んー?」
そんなのっちの前髪を分けてあげるあたし。

「氷食べても涼しくなんないねw」
「ホンマ、身体が溶けそうじゃね」
「じゃあ、もっと溶かしてあげようか?」
「は?」
のっちは跨ってたあたしを組み倒して、今度は自分が上になる。

グラスに入ってた氷が水になった頃。
あたしもトロトロに溶けた。


— Fin —





最終更新:2010年11月06日 17:02