どうして、あたしたちの世界には
「白」と「黒」しかないんだろう?
どうして、分かれてんの?
人の世界には、そんなのないのに・・
「世界を創っていくためだよ」
そう、父さんは言った。
わかってるよ。わかってんだけど・・・
どうしても、ココロがついていかない。
特に、ゆかんちの家系は“血”が強い、から。
それが全てじゃないってことくらい、わかってる。
けど、ゆかはどうしても、うまく付き合えない。
もしかしたら、“傷つけて”しまうかもしれないなんて思いながら
誰かと、一緒にいるなんて、、、
臆病なゆかには、重すぎる。。。。
だから
だから、ずっとひとりでいたのに。
今日も、ゆかの隣には、ご機嫌なのっちがいる。
「・・・・ねぇ」
「ん?」
「もう、ほんとヤだ」
「へ、なにが?」
「もう、会いたくない。てか、会いにこないで」
「…どうして?」
いつもはチャラチャラしてるくせに
こんなとき、真剣な表情するなんて、ズルイ。
「そもそも、勝手に会いにきてるだけじゃん!」
「うん」
「迷惑なの!」
んー・・
のっちは人差し指で頬をかくようにして
「やだ」
はっきりと言った。
だから、なんで!?
「寿命縮めるって言ったじゃん!」
「うん」
「ほんとだよ!」
「うん、わかってるって」
「わかってないよ!」
「てかさぁ、、、かっしー、のっちのこと好きなんじゃん」
え?
「だって、死んで欲しくないってことでしょ?」
「…そりゃ、、、誰だって、ヤだよ」
自分のせいで、命が削られていくなんて。
「じゃぁ、さ。のっちのこと、キライ?」
「・・・」
何も答えられない、ゆかを見て
「そんな泣きそうな顔しないでよ」て
情けない顔して、笑った。
「もしさ、キライじゃないなら、一緒にいよ?」
てか、、、
「そばにいさせてください」
そう呟いて、あなたは初めて、ゆかを抱きしめた。
どうして、あの時、
「キライ」って言えなかった?
もし、言えていたら、、、、
まだ、あの時なら、引き返せたかもしれないのに。
でも、言えるわけないじゃん。
いつだって、まっすぐだったあなた。
そんな、あなたに
嘘、なんかつけなかったよ。
もう、自分をごまかすことなんてできなくなってた。
最終更新:2010年11月06日 17:04