「会いにきて」だなんて
そんなこと言うの、初めてだから戸惑った。
けど
「こんにちは」
「いらっしゃい」
出迎えてくれた、あなたをみて
気付いてしまったんだ。
「来てくれてありがと」
「んーん。呼んでくれて、ありがと」
あなたが、あたしを選んでくれたのなら
それに応えるだけ、だ。
だって、それは
ゆかの願いでもあるのだから。
二人並んで、ソファに座る。
ダルそうに、のっちは、ゆかの肩にちょこんと頭をのっけてきた。
「…アツい?」
「うん、、、ちょっと、ね」
「かっしー?」
「なに?」
「のっち、すっげー幸せ」
泣きそうになった。
んーん、泣いていた。
のっちの不器用な指先が
ゆかの頬を拭う。
「かっしーは?」
「・・・」
なにもかもが込み上げてきて、コトバにならない。
でもしなきゃ、コトバにしなきゃ、、、
覗き込まれた瞳の表情は今でもちゃんと覚えている。
鋭くもあり、やさしくもあり。
なんだか、ほんと、のっちそのものだと思った。
完全に射抜かれてしまったゆかは
こくりと頷くことしかできなくて。。
「しあわ、せ?」
ハの字に眉を垂らして、困ったように笑う。
それ、最高に好き、だよ。
そっと、キスをした。
だらしなく笑ったと思ったのは一瞬。
次の瞬間には、その長い腕にすっぽり納められていた。
アツイ、アツイ、腕の中。
そのまま、焼き尽くしてくれてもよかったのになぁ。。。
「のっちさぁ、、、全然、ふつーの“白”だけど、さ」
「ん?」
「今なら、ほんと、お伽噺がほんものになりそな気がする」
こつんと、額が合わさる。
アツイ、アツイ、のっちの吐息。
「愛してるよ」
言わなきゃ、、、ちゃんとコトバにしなきゃ!
「うん、、、ゆか、も、、、愛して、る。。」
すると、
ふふって笑って
「ゆかちゃん、、て言うんだ」て。
そう言えば、言ってなかった名前。
出会った時は、面倒で言わなかったんだ、、
その場限りだと、、、そう思っていたし…
そして、そのままだった。
“かっしー”て。
あなたが、そう呼んでくれるのが、いつしか、トクベツに響いていたから、、、
「、、ん、うん」
「いい名前だね」
「そう、かな、、、」
「うん、かわいい」
つまらない日々に、色をつけてくれたのは、のっちだった。
「ありがと、、ほんと、大好きだよ」
それは、ほんと、キラキラ輝いて。
「のっちこそ、ありがとう」
そっと、口付けを返してくれた。
「かっしー?」
「ん?」
「ずっと、一緒だから」
キレイな笑顔だった。
ドクン、、、、
そのまま心臓が止まっちゃうんじゃないかってくらい
キレイな笑顔だった。
身動き取れない、ゆかの胸元に
最後のキスを、くれた。
瞬間
まぶしい光に包まれて
ゆかは、意識を手放した。
最終更新:2010年11月06日 17:29