Side A
あれからあたしは、リニアについて色々調べるようになった
『リニア』の存在がなくても、成立つ『世界』
そんな世界を創りだすことは、出来ないものか
必死に調べていた
そんな中、毎晩の楽しみ
ゆかちゃんから、のっちの話を聞くこと
しばらくは、のっちの覚醒も半日で終わるから、話す時間も多いはず
そんな状況が、1ヶ月過ぎた頃
コンコン
部屋のドアをノックする音に、相手も確認せずに迎える
「また確認しとらんしぃw」
「だってー、この時間に来るの、ゆかちゃんしかおらんもんw」
「あ〜ちゃん、女王様なんけぇ、変な人とかじゃったら危ないじゃろ?」
ゆかちゃんからノートを受け取って、椅子に座る
「ココにそういう人間はおらんけぇ、平気じゃよ」
「まぁ、そうじゃけどね?」
「じゃろ?w」
「もうw」
パラパラとノートをめくって、今日ののっちの様子が書かれているはずのページを開いた
けど、、
「あれ?」
なぜか白紙のままで…
理由を聞きたくて、ゆかちゃんへと視線を向けると、少し恥しそうに笑うゆかちゃん
「まさか、サボり?」
「ちw違うよぉw」
「だよね?w」
さすがに、それはないよね?
「じゃあ、どうしたん?」
「あぁ、、あのね?直接、伝えたくて。今日のこと」
「なん?なんかあったん?」
「ヒヒwうんw」
嬉しそうに笑うゆかちゃんの顔が、少しだけ赤く染まる
Side K
「あの、今日のっちに、告白…されて…」
時々見せる、のっちの寂しそうな顔が気になって、理由を聞いてみたんだ
『、、好き、じゃけぇ…。ゆかちゃんのこと…』
思いもよらなかった、のっちからの告白
『こんなに、近くにおるのに、、触れんけぇ…』
同じ、だった
『たまに、切ないんよ』
壁越しに手を重ねた、私と、同じ…だったんだ
『ゆかも…切ないよ?』
『え?』
あ〜ちゃんは…
のっちの想いを知って、私をリニアの部屋につかわした
「そっかぁ、、」
「ぅん」
「返事…したん?」
でもまだ、私の想いを知らないあ〜ちゃん
「うん、、したよ?」
『ゆかも、好きじゃけぇ…』
なのに、、
「じゃあ、やっと伝わったんじゃw」
「え?」
「ごめんね?ゆかちゃん。実は…」
苦笑いのあ〜ちゃんは
「知っとったんよ」
そう言って、申し訳なさそうに、理由を教えてくれた
二人でのっちに会いにいく、その前の日に偶然知ったこと
そして、のっちの想いも聞いて、私たちが一緒にいられるようにって、、
お互いの想いに、いつか気付けるようにって…
だから、あ〜ちゃんの言葉
『こんな壁、いつかなくしちゃうけぇ』
私も、のっちと一緒に
信じてるよ?
—つづく—
最終更新:2010年11月06日 17:38