Side A
この日も変わらず、リニアについて調べようと机に向うと
一冊のノートを持って、ヤスタカがやってきた
「これは?」
「先日、陛下が調べていたものが、目に入ったもので、、」
手渡されたノートを開いてみると、そこには父の文字が綴られていた
『リニア』について…
「どうしてヤスタカがコレを?」
「先代から預かっていた。もし、陛下が『リニア』について調べるような事があれば、渡してほしいと」
「父様が、、」
「きっと、必要なものだからと」
「ヤスタカは、見たのか?」
「これは陛下に託されたものだ。だから、私は見ていない」
「そうか、、」
「はい。…それでは、私は失礼します」
「ん」
ヤスタカが出て行った部屋で、ノートを開いて、ページをめくっていった
父のノートに書かれていたのは、あたしが探していたまさにその
答え、、
ただ、確証のない部分もあり
それを実行するのに必要な部分で、一つだけどうしても分からない所がある
それにもし、実行できたとしても、あまりにもリスクが大きすぎる
二人に話しても、きっと望まないような内容
父自身の心情もしっかり書かれていて、どれだけ悩んでいたのかが窺えた
そして、最後のページに書かれていたのは…
『願わくば、皆が幸せな世界を…』
父が願った、世界、、
それは、あたしも願う、世界、、
しかし、そこに犠牲を伴うとしたら…
いったい、どちらを選ぶのが正しい?
—つづく—
最終更新:2010年11月06日 18:04