◆N-side◆
もう時計は12時を回っていた。直ちゃんが、「そろそろ寝ようか」と言って立ち上がる。
「本当に…のっち、ベッドで寝て良いの…?」
「うん」
「…えと、じゃあ、お邪魔しまーす…」
図々しいにも程が有るよ、のっち。直ちゃん…なんでこんなにものっちに優しくしてくれるんだろ。本当にお姉ちゃんみたい。
「電気消すね」
「うん…」
のっちはベッドに入って壁側に寄った。直ちゃんのベッドはフワフワで良い匂いがした。てゆーか、ドキドキが半端無い。寝られる気がしない。
少しベッドが揺れた。と思ったら、直ちゃんが隣に居た。真っ暗であまり見えないけど、髪がのっちの顔に当たった。
凄く甘くて優しい香りがする。同じシャンプーのハズなのにな。あ〜ちゃんの香りに少し似ていた。
「彩乃ちゃん」
「なに…?」
「私の裸、見たい?」
暗くて良かった。のっち今、とんでもない顔してるもん絶対。さっきののっちだけ見られるのは卑怯だとかほざいたの、覚えてたんだ。
無意識に頷いていた。思いっきり、首が痛いくらい。
「じゃ、脱ぐね?」
直ちゃん側の布団がモゾモゾ動く。なんてこった。今、のっちの真横で直ちゃんが服を脱いでいる…。
「脱いだよ?」
「うん…」
のっちは遠慮がちに視線を向けた。布団を広げて、のっちに見せる直ちゃん。
「…見た」
「もう見たの?」
「うん、見た」
と言ったのは嘘だ。見ていない。と言うか見れない。それにこれだけ暗いんだから、どうせ見えない。
これ以上直ちゃんにドキドキしたら、天罰が下る様な気がしたんだ。のっちがドキドキするのは、あ〜ちゃん一人で十分。
のっちは、ゆっくり目を閉じて大きく深呼吸した。
「彩乃ちゃん?」
「…なんか、眠くなってきた…」
「そっか、おやすみ」
直ちゃんの柔らかな手が、のっちの頭をそっと撫でた。のっちは目を閉じた。一番に浮かんだのは、あ〜ちゃんが怒ってキーッてなってる姿。
「……おやすみ…」
明日、本当の事を言おう。直ちゃんは友達。優しいお姉ちゃんみたいな存在。それ以上でも、それ以下でもない。
あ〜ちゃんは怒るかな?それとも許してくれる?どっちにしても、言うのはドキドキじゃね。
あ、携帯の充電…忘れてた。
◆2-17:End◆
最終更新:2008年10月12日 22:15