アットウィキロゴ
◆N-side◆

授業が終わった。もう授業には全然身が入らなかった。ずっと謝る言葉を考えていた。
しばらくボーッとしていると、ゆかちゃんが来た。
「ほら、シャンとしんさい」
「あ………うん」
「何その間」
やる気あんの?みたいな目で見るゆかちゃん。恐いよーやる気あるよー。
「ゆかも協力するからさ」
「…うん」
ありがとうゆかちゃん。心強いや、良い友達を持ったなのっち。


ここは図書館。静かで落ち着いた雰囲気で、放課後という事もあり人は少ない。
「のっちは、仲直りしたいんだよね?」
「うん」
「けど簡単には許してくれないと思うよ、事が事だけに」
「……うん」
考えると胸が苦しくなってきた。守るって約束したのに、傷付けちゃったんだ。
「あ〜ちゃんが好き?」
「……」
黙って頷いた。
「あ〜ちゃんは…のっちの太陽だから…居なくなると困る」
自分でもビックリするくらい大きな弱音を吐いたな、のっち。ゆかちゃんもビックリしてる。
「あ〜ちゃんが太陽なら、のっちは向日葵じゃね」
「ひまわり…?」
うん、とゆかちゃんは笑顔で頷いた。


「向日葵はね、太陽が無いと生きていけないんよ」
「……」
「太陽だけ見て、光をイッパイ受けて大きくなるんよ」
「そうなんだ…」
「だから、のっちは向日葵」
ゆかちゃんの言葉が胸に響いた。そうだ、のっちは向日葵だったんだ。太陽に恋した、向日葵だったんだ。

ゆかちゃんと並んで歩く帰り道。久しぶりに二人だけで歩くこの桜並木も、随分と緑の葉が眩しい。
「ゆかちゃん、ありがとね」
「いーえ」
改めてお礼を言うと、ゆかちゃんはくすぐったそうに照れ笑いを浮かべた。
「のっち昔ね、よく宝物を無くしたんだ」
「…?」
「大切に秘密の場所にしまっておいて、そしたらいつの間にか無くなってて、凄く悲しかった」
ゆかちゃんは不思議そうな顔をして黙ってのっちの話を聞いてくれてた。実際、自分でも言いたい事が良く分からない。
「だから、もう絶対に無くしたくないんだ」
無くさない様に、壊さない様に、取られない様に。宝物は大切にしなくちゃいけないんだ。
「ふふ、王子様みたいだね」
「うへへ、カッコ良かった?」
「今ので台無し」
笑いながら二人で歩いた。自然と繋がれた手には、優しいぬくもりを感じた。


◆2-22:End◆






最終更新:2008年10月13日 09:56