◆N-side◆
直ちゃんと別れて、あ〜ちゃんの家に向かった。ん?そう言えば直ちゃんにのっち恋人いるって言ってないよね?なんで知ってたんだろ。
西脇家に到着。リビングの電気がついてた。誰かいる。きっとあ〜ちゃんだ。
—ピンポーン。
チャイムを押す。洗ったお弁当箱と、あ〜ちゃんの好きなお菓子。プレゼントで許してもらおうなんて浅はかな考えではない。昨日もお弁当のお礼にお菓子をプレゼントしたんだ。
静かにドアが開いた。中から出て来たのは、あ〜ちゃんだ。正真正銘、あ〜ちゃん。
「のっち…」
「あ〜ちゃん、体元に戻ったんじゃね!」
「え?嘘!」
あ〜ちゃんは玄関に置かれた鏡を見た。ジーッと見つめて、嬉しそうに笑った。
「ホンマじゃ!元に戻っとる!」
最高の笑顔。なんでこんなに可愛いんだろ。それにしても、今何時だろ、体が戻るにしては早い気がするけど…。
「あ…」
急に、あ〜ちゃんの雰囲気が変わった。
「…何しに来たんよ」
あ〜ちゃん今一瞬、のっちにキレてたの忘れてたよね?思い出しちゃったか…うーん残念。
「お弁当ありがとう」
「……」
「凄く美味しかった」
そう言ってぎこちなく微笑んだ。やっぱり何処か緊張を隠せない。のっち、こう見えて必死。
「あとコレ、食べて」
「…要らない」
あ〜ちゃんは目を合わせてくれない。心臓がチクチクと痛む。
「あのさ…嘘付いて…ごめん」
「……」
「もう絶対…嘘付かないから」
「…それも、嘘じゃろ?」
やっぱり、一度裏切られたら簡単に信用出来ない…。のっちは取り返しのつかない事をしてしまったんだ。
「嘘じゃないよ」
「……」
「のっちには、あ〜ちゃんしか…」
「もうそーゆーの…聞きたくないんよ!」
ほら、まただ。また泣かした。最近のっち、泣かせてばっかりだ。
もうのっちが何を言っても、あ〜ちゃんは信じてくれないのかな。あ〜ちゃんを辛くさせちゃうだけなのかな。
「あ〜ちゃんは…のっちの事…嫌いになったの…?」
「…っ、バカ」
のっちの声が震えた。あ〜ちゃんの声は…掠れていた。
◆C-side◆
「今頃のっち、あ〜ちゃんに許して貰ってるかな?」
ここは樫野家の有香ちゃんプライベートルーム。初めて入ったけど、凄く落ち着いた雰囲気で、ハムスターが2匹お出迎えしてくれた。
「可愛いでしょ、ちょろとふーくんだよ」
ちょろとふーくんか。可愛いな〜。目クリクリしてて、ちっちゃくて…いやーん連れて帰りたい。
「ベッド座りなよ」
「あ、失礼しまーす」
有香ちゃんが毎日寝てる神聖なベッド…有香ちゃんファンの皆さんごめんなさい。
「で、どうしてちゃあぽんはゆかの部屋に居るのかな?」
「…今晩、泊めて下さい」
「別にゆかは良いけどーあ〜ちゃん心配しない?」
「お姉ちゃんには友達の家泊まりに行くって言っといた」
「さすがだね!」
だってさ。帰っても二人の邪魔になるだけだし。お邪魔虫はお呼びでないし〜。いじけちゃうよ。
「てゆーかちゃあぽん、明日のテストの勉強しなくて良いの?」
「うあぁっ!忘れてた!」
「中学の時の教科書、ボロボロだけど捨ててなかったハズ」
そう言って有香ちゃんは本棚を漁り始めた。本当に有香ちゃんは優しいなー。
「あったあった、はい」
「ありがとう有香ちゃん!マジでありがとう!」
「明日は教科なに?」
「多分、国語と理科」
「大丈夫、樫野先生がなんとかするから」
心強い家庭教師は笑顔でそう言った。有香ちゃん…マジ完璧過ぎるよぉ。
◆2-24:End◆
最終更新:2008年10月13日 10:00