◆N-side◆
「嫌いになんて…なれないよ」
あ〜ちゃんはそう言って泣いた。のっちの腕の中で、声を出して泣いた。その震える細い肩を抱き締めた。
ごめん、ごめんね。何度も心の中で呟いた。
「…ありがとう、あ〜ちゃん」
「…っ」
「好きじゃなくても良い…だけど、嫌いになんないで…」
のっちは弱い人間なんです。あ〜ちゃんに嫌われたくないんです。凄く勝手で、自己中で、最低なんです。
のっちはそっとあ〜ちゃんの肩を掴んで体を離した。
「これ、あ〜ちゃんにあげる」
ずっと手に持っていた向日葵。お花屋さんに行って買ってきた。だけど生花は売り切れで、代わりに造花を貰った。造花はずっと枯れないし。
受け取るあ〜ちゃんは、凄く不思議そうな顔。涙で光った頬がキラキラしてて、不謹慎だけど綺麗だと思ってしまった。
「ひまわり…?」
あ〜ちゃんが眺めて呟く。
「これはね、のっちなんだ」
「え…」
「あ〜ちゃんは太陽だから、のっちは向日葵」
伝えたい、全部伝えるんだ。のっちの気持ちを伝えたい。
「向日葵は、太陽がないと生きてけないんだよ」
一言一言に気持ちを込めた。のっちの全身全霊を。
「生まれてから死ぬまで、ずっと太陽だけ見てるんだ」
のっちは、そんな向日葵。
「だから、のっちは向日葵。太陽を愛する向日葵です」
まっすぐあ〜ちゃんの目を見つめて言った。あ〜ちゃんの瞳が揺れてる。ゆっくり揺れて、目を逸した。心無しかあ〜ちゃんの頬が赤い。
「…のっちのくせに、言う事がいちいちカッコ良いんよ…」
「へ?え、別にカッコ付けた訳じゃ…」
「ムカつくんよソレが!ほんま質悪いわ、そんなじゃけ綺麗なお姉さんに襲われたりするんよ」
ん…ちょっと待って、あ〜ちゃん今襲われたりするんよ…って。
「どしたののっち」
「今…あ〜ちゃん…」
「相手が寝ぼけてて襲われたんじゃろ?それは不可抗力だ」
分かってくれたんだね、あ〜ちゃん!う…のっち泣きそう。そうなんだよ不可抗力なんだよ。
「今回は…まぁ、許してあげん事もないよ」
「ぅありがとうあ〜ちゃあ〜ん!!」
もう、我慢出来なくて抱き着いた。嬉し過ぎる。嬉しいよ、あ〜ちゃん!仲直り出来たんだっ。
「の、のっち…?」
「嬉しいよーあ〜ちゃ〜ん」
「わ、分かったから、近所迷惑じゃけ黙りんさい」
「のっちの嫁日本一〜!」
「のっち!!」
◆2-25:End◆
最終更新:2008年10月13日 10:02