◆N-side◆
お風呂は相当気持ち良かった。さっきまでケンカ?してたのが嘘みたいだ。
体を洗いながら、ふと鏡を見つめた。キスマークが消えかかってる。あんなに紅かったのに、薄ピンクになってる。
まぁそんな事はどーでも良いや。もしかしたら今夜、あ〜ちゃんとエッチしちゃうかもしれないんだ。しっかり洗っておこう。
◆A-side◆
のっちの次のお風呂は、少し熱かった。のっちめ、設定温度上げたな?
「のっち、今日泊まってく?」
「え…良いの?」
「良いけど、エッチな事しないって約束出来る?」
のっのキラキラの笑顔が一瞬で崩れた。やっぱりやる気満々でしたか。まぁ、あ〜ちゃんも別に良かったんだけどさ。
「な、なんで…?」
「…生理来ちゃったんだもん」
「なんと言うタイミング…っ!!」
のっちが床にへたれ込んだ。泣かなくても良いじゃん。エッチが出来ないくらいで大袈裟だよ。
「あー……のっち帰るわ」
「何それ!」
エッチ出来ないと分かった途端にその態度ですか。おかしいでしょ。あ〜ちゃんの存在、何なの。
「だってさ…絶対襲っちゃいそうだもん…」
そう言うのっちの目はウルウルしてて、どこぞの子犬みたいだ。
「…我慢してよ」
「…じゃあ、あ〜ちゃんお父さんのジャージに着替えてよ」
「は?意味分からん」
「それなら多分興奮せんから」
…さっきまで「許して〜」とか言ってたくせに、仲直り出来たと思ったらすぐそんな態度ですか。のっちのくせに。
「のっちが我慢すれば良いだけじゃん」
「だってさ〜」
あ、いじけた。眉毛がハの字。
「分かった、我慢します」
「よろしい」
頭を撫でてあげた。のっちはそれだけでニコニコだ。可愛いな〜。
◆N-side◆
時計を見ると、もうすぐ12時。随分とテレビを見てたな。
「あ〜ちゃん、そろそろ寝…」
あ〜ちゃんの方を見ると、目を閉じて安らかな寝息を立てて眠っていた。
綺麗な寝顔が眩しかった。心臓が高鳴る。寝顔に欲情するなんて、おかしいのかもしれないけど。
「…あ〜ちゃん」
そっと髪を撫でた。
「大好きだよ…」
そっと、唇を重ねた。柔らかくて温かい感触に体が震えた。今までにない、精一杯の優しさで触れたキス。
起こしちゃいけない。君の幸せな寝顔を守る事が、のっちの使命なんだ。
◆
「よいしょ、と」
なんとかあ〜ちゃんをベッドまで運んだ。むしろ起きない方が奇跡に近いような…。
「ん…のっ…ち…」
ムニャムニャ、あ〜ちゃんの寝言。
のっちはそっとベッドに入り込む。起こさないように、そっと。
「う…ん…」
すり寄ってくるあ〜ちゃん。ヤバい…可愛い…。ダメダメ!寝込みを襲うなんて最低だ。
ねぇ、君は今どんな夢を見てるの?幸せな夢なら良いな。
窓の外は綺麗な星達が瞬いている。星の数を数えながら君を思い描く。夢の中でも、君に会えますように。
明日、明後日、一年後、その先もずっとずっと、君を好きでいる自信があるんだ。
宇宙一、君の事が好き。目に入れても痛くはない。他に何もいらない、一緒に居られれば。
机の上で向日葵が微笑む。太陽を見つめる向日葵が。
ギュッと抱き締めて目を閉じた。君のぬくもりを全身に感じて、愛しさに触れて。
「おやすみ、あ〜ちゃん」
◆最終話:End◆
最終更新:2008年10月13日 10:06