◇N-side◇
それからの記憶は無いに等しい。
初めて二人で迎えた朝。裸ののっちに、裸のゆかちゃん。
昨日、私達は愛し合いました。
「おはよう…のっち」
「おはよ」
目を覚ましたゆかちゃん。凄く愛しくて、ギュッと抱き締めた。
もう、この体はのっちのものだ。のっちのものになったんだ。
「どうしたの?苦しいよ」
小さく笑うゆかちゃん。ごめん、ごめんねゆかちゃん。
初めてエッチをした相手が君でも、一番はもう一人いるんだ。どんなに君と愛し合っても、これだけは変わらない。
あ〜ちゃん、ごめんね。
初めて手を繋いだのも、キスをしたのも、エッチをしたのもゆかちゃんでした。だけど愛してるんです。同じくらい、愛してやまないんだ。
「のっち…泣いてるの?」
「え…?」
気が付くと、のっちの目から涙が零れていた。
そして気付いた。のっちは最低な事をした。二人を愛しているなら絶対にしちゃいけない事をしたんだ。
「…ごめんね」
「?なんで謝るの?」
「…ごめん」
「変なの」
ゆかちゃんの胸で泣いた。優しいゆかちゃんの腕の中、赤ちゃんみたいに泣き続けたんだ。
◇A-side◇
昨日は仲良くなったクラスの子達とカラオケに行った。久しぶりにワイワイ騒いだけど、のっちが居ないと寂しかった。
今日は土曜日、つまりはお休み。けど外は酷い雨。出掛けたくなくなるよ。せっかくのお休みだって言うのに。
それに昨日の夜、のっちにメールをしたのに返ってこない。『一緒に帰れんくてごめんね、今度のっちも一緒にカラオケ行こうね!』って内容のメールだけど、相当怒ってるのか拗ねてるのか、返事は無い。
あーもう、のっちのバカ。これくらいで不安になるなんて、あ〜ちゃんらしくないよ。のっちのせいだからね。
付き合って昨日でちょうど一週間だったんだ。そろそろデートの一回や二回したって良いんでないの?
すると突然、携帯が光った。メールだ。のっちからだ。
『返事遅れてごめん。明日晴れてたら映画でも行きませんか?』
思わず誰だよ、とツッコミたくなるメールだった。どこの時代の誘い方だ。ほんまに笑える。しかも晴れ限定だし。
『雨降ったら?』
どうしても気になるのでそう返信。だって天気予報だと明日まで雨は続くみたいな事を言ってた。
二分後、メールが届いた。もちろんのっちから。
『雨でも遊びたい。家でDVD見よう』
雨でも外に出掛けるっていう考えは無いんだね。まぁあ〜ちゃんも雨で出掛けるのは気が重いけど。
了解メールを送って、あ〜ちゃんはクローゼットを開いた。明日は何を着ていこう。映画デートでも家デートでもデートはデート。
どんな服を着てものっちは可愛いと言うだろうけど、それじゃダメ。飽きられない様に頑張らなきゃ。気合い入れてこ。
◇K-side◇
のっちの涙の真相は分からない。だけどエッチをした事が原因なのは、安易に想像が付いた。
今はもう泣きやんで、お笑いのテレビを見て爆笑している。泣いたり笑ったり忙しい子だ。
「それなんて番組?」
「やりす〇コージー」
「好きなんだ?」
「うんっ」
のっちは基本的に引きこもりだから、テレビやゲームやらにはかなり詳しい。ゆかの知らない事を何でも知ってる。
「ゆかとどっちが好き?」
自分のこーゆー所、ちょっと好き。のっちを少しでも多くドキドキさせたい。まぁ言ってる自分もドキドキなんだけどね。
「ゆかちゃん…です」
「え?聞こえないよ」
「ゆかちゃんです!」
顔を真っ赤にするのっち。あー可愛い。ゆかも好き。愛してる。
◇04:End◇
最終更新:2008年10月13日 10:47