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 (side.K)

あたしの唇に、とても優しく…のっちの唇が重ねられる。
柔らかくて、温かくて…熱い…。
すごく幸せで、とても満たされる瞬間。
のっちの温かい手が、あたしの頬を優しく撫でて。
腰に回された手で、ぎゅっと抱きしめられる。
 「ん…」
あたしの王子様は…見かけによらず、とても情熱的だった…。

………

のっちと付き合い始めて、約一月。
のっちはあたしにとって、かけがえのない…とても大切な恋人。

あたしの想いに応えてくれたのっちは、ヘタレだけどとても格好良くて。
顔を真っ赤にしながら、「のっちもゆかちゃんの事が大好きだよ」って…そう言ってくれたんだ。
…普段何考えてるか良くわからないけど。
でも、すごく優しくて、いざって言う時にはちゃんとあたしを引っ張って行ってくれる。
そんな、頼りになる、あたしの『王子様』。

…ついこの前。

あたしはのっちと…初めて体を重ねた。
たまに眉毛が八の字になってたりしたけど…ちゃんとのっちはあたしをリードしてくれて。
…とても優しく、あたしを抱いてくれた…。

抱かれている間、あたしはのっちの事しか頭に無くて。
のっちが与えてくれる甘い刺激を体で受け止めるだけで精一杯だった。
のっちの、あたしを見つめる熱に浮かされたような瞳が、熱い想いを全て伝えようとする指先が、
耳元で囁く甘くて優しい声が、あたしを溶かし尽くさんばかりに熱くなった体が。
のっちの全てが、あたしを包み込んで…。
迎えた絶頂は、とても甘くて…泣き出しそうなほどに幸せな瞬間だった…。

愛している人と体を重ねる事が、とても幸せで心が満たされるものなんだと…のっちがあたしに教えてくれた。

好き…。
大好き、愛してる…。
いくら伝えても足りないほど、のっちが好きなの…。

………


 「ゆか、ちゃん…」
重ねていた唇を離して。
あたしの目を見つめながら、甘く囁く。
 「好き…」

たった二つの音。
『す』と『き』。
なんの変哲もない二つの音なのに。
それなのに…。

のっちにその二音を囁かれるだけで、あたしはすごく幸せで、嬉しくて堪らない…。

 「ゆかも…大好き…」

あたしの言葉に顔を赤くしながら照れ笑いをするのっち。
そんなのっちが可愛くて、大好きで。

 「のっち…もう一回キス、して…?」
うん、と笑顔のまま頷いて、のっちがまた優しいキスを唇に落としてくれる。
きゅっ、とのっちの背中に両手を回して。
 「…ん…」
あたしの気持ちに気付いたのか、のっちのキスが深いキスに変わる…。

これはのっちだからこそわかる…言い換えれば『のっちにしかわからない』あたしの合図。
のっちの優しいキスは、あたしを幸せにしてくれるけど…欲張りなあたしは、それだけじゃ少し物足りない。
だから、「もっと大人なキスをして」って、のっちの背中に手を回しておねだり。

 「ん…ふ…ぅ」
のっちの舌が、あたしの舌と絡み合って。
ヘタレな癖に、のっちはキスが上手くて…いつもあたしが先に熱い吐息を吐いてしまう。
なんか…すごく、悔しい。
 (絶対、あたしもキス上手くなるもん…っ)
今に見てなさい、のっちっ…!

のっちの甘くて優しい…でも激しさが秘められたキスに、あたしは翻弄されてしまう。
 「はぁ、ぅ…のっ、ちぃ…っ」
息をする暇もないくらい、のっちのキスが深くて。
 (体に…力が入らない…)
力が抜けてしまったあたしの体は、のっちが支えてくれなければ今にも崩れ落ちてしまいそう…。

 「…ん…ふぁ…」
のっちの唇がやっと離れて。
銀色の糸で繋がれたのっちとあたし…。
 「はぁ…っ、はぁ…」
…大人なキスをしてって言ったのはゆかだけど…深すぎだよのっち…。

 「ゆかちゃん…大、丈夫…?」
眉を八の字にしながら心配そうに聞いてくるのっち。
もう…っ、心配してくれるのは嬉しいけど、ここはガッ!と強気で行く所でしょ…っ!

優しくて、あたしに対して細かく気を配ってくれるのは、のっちのとても良い所だけど、
今の状況では間違った選択肢。
 (…もう…仕方のない子じゃねぇ…)

 「のっち、大丈夫よ。それよりも…」
そう言いながら、あたしはのっちの右手を…胸元に抱き寄せた。
 「ゆっ、ゆかちゃ…っ!」
これ以上ないくらい顔真っ赤だよ?のっち。
 「のっちがあんなキスするから…ゆかの心臓、すごくドキドキしてる…。わかる?のっち…」
 「ぇえええと、うん、っわ、わかる」
…落ち着いてよ、のっち。
でもこの感じだと、あと一押し、かな…?

 「本当にわかってる…?のっちぃ…」
上目遣いでのっちを見つめながら。
もっと強く、最早胸に押しつけるように、のっちの手を抱き寄せる。
 「…っ!………」
 (あれ…?)
のっちは無言で俯いてしまった。
あたしの予想だと、顔を真っ赤にしながらも襲いかかってくるのっちを想像してたのに…。
何か間違ったっけ…?


 「…ゅ……、…ぃ…」
 「…え?なに?のっち」
 「……っ!」
 「きゃ、っ…!」
のっちに抱き寄せられる。
力任せで、かなり強引に。
抱きしめる腕の力が強すぎて、少し痛いくらい。
 「のっちっ、どうし…んんっ!?」
言葉もなしに、いきなりの深いキス。
 「んっ、ぅ……、ふ…っ」
頭に添えられた手で顔の角度を変えさせられて。
より一層深くなるキス。
逃げようとしても、体に回されたのっちの腕が、深く絡みつくのっちの舌が、あたしを離してくれない。

 「…は…ぁ、…のっ、ちぃ…っ…」
頭の中にもやがかかり始める。
さっきは痛いくらいだったのっちの腕の力が、今はとても丁度良くて、心地良い。
あまりの気持ちよさに抵抗なんて忘れてしまっていた。
のっちに求められるまま、舌を絡ませ、流し込まれた唾液を飲み下して。

普段からは絶対に考えつかない程、激しくて熱い、情熱的なのっち。
…想いが激しすぎて、あたしの体が付いていけなかった。
最早、頭の中は真っ白。
快楽に塗りつぶされて、何も考えることが出来ない。

 「んふぁ…、ぅ…」
のっちの唇が、舌が、離れる。
力が抜けたあたしの体をのっちがぎゅっと抱きよせて。
耳元で、熱い吐息と共に甘く囁かれる。
 「…ゆかちゃんが、悪いんだからね…?」
のっちの右手が、あたしのスカートの裾から入り込んでくる。
 「ゃぁ…っ」
 (あ〜ちゃんが…っ)
キスだけならまだしも、それ以上進んだらあ〜ちゃんに気付かれちゃうっ…!

挑発したのは、のっちをその気にさせたのは、あたし。
なのに、いざそう言う事になると…すぐ近くにいるあ〜ちゃんを気にして踏み止まってしまう、あたしの気持ち。

必死に抵抗しようとしてみるものの、力が入らなくて何も出来ない。
 「っあ…っ!」
のっちの指が、あたしの大切な所をなぞる。
ピクン、と反応してしまう自分の体が恨めしい。
 「…ゆかちゃんが、挑発したんだから…っ」
 「んっ…!」
いつの間にか、のっちの左手もあたしの服の中に入り込んでいて。

背中を指で撫で上げられる。
そのままブラのホックを外されてしまった。
 「はぁ、ぅ…」
前に回り込んだのっちの左手が、あたしの胸を揉みしだいて。
その手つきが思ったより優しくて、甘くて…体の奥に、熱すぎるほどの熱が籠もり始める。

 「ゆか、ちゃん…」
のっちに優しくソファに押しつけられて。
あたしに覆い被さるように体勢を変えるのっち。
 「大好きだよ…ゆかちゃん…」
そう囁くのっちの潤んだ瞳には、とても熱い…何かが見えて。
 (あたしに欲情してるんだ…)
そう思うと、とても愛しくて…のっちのその温かい手でもっとあたしに触れて欲しい…そう願ってしまって。
抵抗しなきゃいけないとわかっているのに、あたしの心は、体は…のっちに抱かれることを望んでしまっている。

 「愛してる…」
とてもとても甘いのっちの声。
 (あ、たし…)

 「のっち…」
…もう…
 「…もっと、触って…?」
…どうにでも、なってしまえ…


胸を、大切な所を優しく刺激されて。
 「ぁあっ…、んっ…」
鎖骨に強く押し当てられたのっちの唇が、あたしの体に紅い愛の証を残していく。
降りてくる唇はあたしの胸の頂点へと辿り着いて。
 「ゃあ、ぁっ」
舌でいじられ、吸われ、甘噛みされ…。
甘い声を抑えることが出来ない。

 「…ん…」
のっちの顔が、胸元から離れる。
のっちに触れられた場所から熱がどんどん広がって。
体が…熱くてたまらない…。
 (もう…ダメ…我慢出来ない…)

 「のっちぃ…っ…おねがいっ…」

ゴクン、と唾を飲む音が聞こえて。
 「ゆか、ちゃんっ…!」
甘く掠れた声であたしの名前を呼びながら唇を重ねるのっち。
でも唇はすぐに離されて。
 「ゆかちゃん、愛してる…っ」
下着の中に入り込んだのっちの指が、あたしのトロトロに熱く潤った場所に沈められる…瞬間。

 「のっち〜!」
 「はひゃぃいっっ!!」

あ〜ちゃんに名前を呼ばれ、変な叫び声を上げながらビクゥッと震えるのっち。

 「こっち来て味見して〜!」
 「っはっ、はいぃっっ!!」
のっち、テンパりすぎ…。

 「あ、えっと、あの、その…ちょっと行ってくる、ね…?」
ごめんね、と囁きながらあたしから離れるのっち。
 「…すぐ、戻ってきてね…?」
上目遣いで見つめて。
 「う、うんっすぐ戻ってくるっ!」
そう告げて台所へと向かっていったのっち。

 「あ〜ちゃん…タイミング悪いよぅ…」

体の熱はまだまだ下がることなく…。
むしろおあずけされて余計に上がって行くばかり。

 「もう…ばかぁ…」

誰に向けるでもなく一言、あたしはそう呟いた……。







最終更新:2008年10月13日 10:59