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「のっち、キモい」
ゆかちゃんとデートした翌日。あたしはもう嬉しくて幸せで堪らなかったからあ〜ちゃんに報告にきた訳だけど。
「…おはよ…」
朝からキッツイ一言ありがとう…。

「で、どうだったん」
「うっへへーいやぁ〜聞いて聞いて!」
「…やっぱりいい」
「聞いて下さいお願いします」
あ〜ちゃんの部屋で土下座。
のっちカッコ悪い。
でもここであ〜ちゃんのアドバイスとか聞きたいし。この先どうすればいいのかよく分からないし。
とりあえず昨日の事をかい摘まんで話してみた。
「…ってなって、一応いい雰囲気にはなれたんよ。で、この先どうしたらいいのかなって思って…」
「どうって…それをあ〜ちゃんに聞くん?」
「うん」
「あ〜ちゃんも知らんのに?」
「…マジ?」
「うん」
「………」
もしかしてのっち人選ミスった?


「…じゃあ、ちゃあぽんに聞いてみんさいや」
「え、ちゃあぽんに?」
そう言ったあ〜ちゃんを見ると少し表情が固かった。やっぱり妹の方がそういう知識があるっていうのが嫌なのかな。



「のっちにしては上手くいった方だと思うよ」
「ちょ、『のっちにしては』って何よ。馬鹿にしてんのか」
結局ちゃあぽんの話を聞きに部屋を訪ねた。
今後の参考にあ〜ちゃんも聞けば良かったのに『行かん』と断られた。
「…やっぱりさ、告白した方がいいん?」
「いやまだ早いよ」
「じゃあ…」
眉が八の字になったあたしにちゃあぽんは人差し指を立てて。
「おもいきって家に誘う!」
自信満々に言い放った。
「……へ?」
「とりあえず誘ってみたら?もし向こうにその気がなければ遠慮するだろうし、あれば家に来てくれるだろうし」
言ってる事が衝撃でぽかんと口を開けてたら、顎にチョップをくらった。
「いって!」
「口は閉じる!だらし無いって嫌われるよ」
「だったら口で言ってよ…いてて…」
顎を摩りながら座り直す。ピンポイントで攻撃されたから痛いよ。


「あと、その時の反応を見ること。ちょっとでも迷ってたらこっちから『やっぱり今度にしよう』って言うこと。先に相手に言わせちゃだめだからね」
「なんで?」
「そう言うと、相手は『気を遣わせちゃったかな』って思うでしょ?そしたら『いいよ。家で遊ぼう』って言うはずだからね」
「…なんかやだなぁ」
「だって綺麗事言ってたって始まるもんも始まらないし」
そう言うちゃあぽんの目はどこか遠くを見てた。
もしかして今、辛い恋愛でもしてるのかなぁ。
「誘う理由は…ちょうど夏休みの宿題あるしそれでいいと思うよ。あとは上手くいけば家に来た時に告白かな」
「おおー…!って、なんかちゃあぽん凄いね」
「まぁ雑誌の受け売りだけどね」
「……」
あたしの感動を返せこのやろう。



「家に誘う、かぁ…。ハードル高いなぁ」
西脇家を出たあたしは腕を組みながら考えていた。
家に誘ったとしても、果たしてゆかちゃんが来てくれるかどうかは分からない。
「…賭けてみるか」
突き刺すような日差しの中、あたしは何度も頭の中でシュミレーションしていた。


㈯END






最終更新:2008年10月13日 12:34