◇N-side◇
今日は、一ヶ月記念の日。深夜12時ちょうどに、二人からメールが届いた。
『一ヶ月記念〜!わーい!これからもよろしくね。』
これ、あ〜ちゃん。
『もう一ヶ月だよ〜早いね、のっち愛してる!(笑)』
これ、ゆかちゃん。
一秒差であ〜ちゃんのメールの方が早かった。凄く嬉しくて、返信のメールを打つ。
こーゆーの、付き合ってるって実感出来るし良いよね。二人と付き合ってもう一ヶ月も経つのか。早いなぁ。
「…二人共、ビックリするだろうな」
実は、二人には内緒で一ヶ月のお祝いの為にプレゼントを用意しました。明日学校ででもこっそり渡すつもり。喜んでくれるかな?
二人のビックリする顔を想像しながら、ニヤニヤするのっちでした。
◇A-side◇
ゆかちゃんと二人でいつまで待っても待ち合わせの場所にのっちが来なくて、さっき電話したら物凄く眠そうな声で呑気におはよーと挨拶された。
「最近やっと寝坊しなくなったと思ったのにね」
「ほんまにたるんどるね」
のっちに電話で散々怒鳴って、遅刻するから先にゆかちゃんと学校へ行く事に。アホのっちめ。
今日は記念すべき日だと言うのに、あ〜ちゃんなんて素晴らしく綺麗に目が覚めたよ。爽やか過ぎるくらいに。
「あ〜ちゃん、さっきから嬉しそうじゃね」
ゆかちゃんに笑顔で言われた。いけない、顔に出てたかな?だけど、そんなゆかちゃんだっていつに無く鼻歌歌って幸せそう。
「ゆかちゃんも、なんか良い事でもあった?」
「チョロが朝から可愛くてねー」
なんだ、チョロか。本当にゆかちゃんは親バカだ。あ〜ちゃんは未だにチョロとふーくんの区別が付かない。多分のっちも。
「あ〜ちゃんは?何か良い事あった?」
幸せそうな笑顔で顔を覗き込まれた。
「まぁね、色々あったんよ」
「ゆかに教えてくれんの?」
「内緒だよ〜」
「えーケチぃ」
そう言うと、ゆかちゃんは自然と笑い出した。あ〜ちゃんも笑った。
あ〜ちゃんも幸せで、ゆかちゃんも幸せ。これって凄く幸せな事だと思う。
ゆかちゃんもあ〜ちゃんのかけがえのない大切な人。一緒に幸せになりたいって思える、大事な存在。
こんな穏やかな気持ちで幸せを感じる事が出来るのも、のっちのおかげ。のっちを愛して幸せなんだ。ずっと幸せでいたいよ。ずっと、ずっと。
◇K-side◇
あ〜ちゃんにはチョロが、って嘘を付いてしまったけど、ゆかがご機嫌な本当の理由は今日が記念日だから。
「ゆかちゃん、今日は生徒会の仕事は?」
「多分あるんだよねー、だから今日はのっちと先に帰ってね」
「そっかぁー分かった」
バイバイ、と手を振って教室の前であ〜ちゃんと別れた。ちょうど朝のホームルーム開始の鐘がなる。のっち待ってたせいでかなりヤバかったみたい。
担任の先生が入って来て、皆が席に座る。ゆかも座る。
窓の外を見ると、一生懸命走っている一人の生徒の姿が目に入った。よく見ると、のっちだ。
片手にはソイジョイ。のっちの朝ご飯だ。食パンかじりながらが良かったのに、とベタなシチュエーションを考えてみたり。
もう完璧に遅刻だよ、のっち。でものっちの担任の先生優しそうだしギリギリセーフにしてくれるかも?
頑張れーのっちー。口パクで必死に走るのっちに叫んだ。
記念日に寝坊だなんて、のっちは本当に空気が読めんから困る。
◇N-side◇
「まぁ今回は見逃してあげる」
教室に走り込むと、担任の熟女な先生が呆れた様に笑いながら呟いた。息が切れたのっちは、平謝りして自分の席に座った。
「大本さん、寝坊?」
「うん…めざまし掛け忘れちゃってさ…」
隣の加藤さんが心配そうに声をかけてくれた。高校二年生にもなって寝坊なんてね。恥ずかしくて言えないけど言っちゃった。
「ふふ、可愛いね大本さんて」
「え?か可愛い…?」
「なんか母性本能くすぐられるタイプってゆーか、なんてゆーか。西脇さんと樫野さんが放って置けない気持ちが分かるよ」
あ〜ちゃんとゆかちゃんの名前が出てドキッとした。まぁ確かに二人には世話して貰ってるけどさ…加藤さんがそんな風に思ってたなんて…。
「そういえば、朝一年生の集団が大本さんに会いに来たよ」
「え?一年生が…?」
「大本さんとメールしたくてメアド聞きたかったんだと思う、モテモテだね」
「いやいやいや」
そうだったんだ。のっちとメールしても全然楽しくないと思うよ。よく返事忘れるし。いっつも返信しなくてあ〜ちゃんに怒られるんだよね。
「大本さんは知らないと思うけど、一年生の間じゃかなり人気らしいよ大本さん」
「うっそだぁ」
「ほんまほんま、てゆーか全学年に人気だけどね」
有り得ん有り得ん。そんな噂、信じちゃダメだよ加藤さん。
◇21:End◇
最終更新:2008年10月13日 14:45