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Side N


今日は、二人を家に誘って遊ぼうと思ったんだけど・・・。

現在、家に居るのは、ゆかちゃんだけ。
ヘタレなのっちは、あ〜ちゃんを誘えんかった。

はぁ〜。

「何、ため息吐いとるん?」
「はへ?」
雑誌を読んでるゆかちゃんに、間抜けな返事を返す。

「どうせ、あ〜ちゃん誘えんかった事じゃろ。」
「ゆかちゃん、エスパーじゃ。」
「何言うとるん。電話で『あ〜ちゃんと三人で・・』とか言うとったのに、あ〜ちゃんおらんし、のっち沈んどるし、分かるじゃろ。」
淡々と答えるゆかちゃんの言葉がのっちに刺さるよ。

「いや〜、やっぱ緊張するんよ〜。」
「今からでも誘えば?」


そんなん出来てたら、今頃あ〜ちゃんはココにおるけぇ。

でも、一応・・・あ〜ちゃんの番号を表示した自分の携帯と睨めっこ。
何て言って誘う?

—新しいゲーム買ったんだけど、今から家で遊ばん?—
いやいや、あ〜ちゃんそこまでゲームに興味ないじゃろ。

—家においしいケーキが・・・—
無いし・・・。

アレコレと思考を巡らしていたら、不意にゆかちゃんの指が携帯の通話ボタンを押していた。
「ちょ、ちょ、ゆかちゃん何を!」
「そんな悩んでる暇があったら、誘えばええんよ。」
イタズラそうに笑うゆかちゃんに文句を・・・と思ったら。

『のっち、どうしたん?』
うぎゃw。あ〜ちゃん出ちゃったじゃん。まだ、心の準備がぁ。
返事のないのっちに
『のっち?用が無いなら切るけぇ・・・』

「イヤ!ちょっ、待ってあ〜ちゃん。」
『なんよ。』
「あの、さ〜。」
『はよ、言いんさいな。』


「今から家で遊ばん?」
唐突すぎ・・・。あ〜ちゃんからすぐに返事はこなくて

「あ、何か用があるならええんよ?」
『・・・・。ゆかちゃんも一緒?』
「う、うん。もうおるよ?」
『じゃあ、行く。』
「良いの?」
『今から、行くけぇ。待っとって。』
「うん!待っとるけぇ、気ぃつけてね。」

わっしょーい!
電話を切って、思わずガッツポーズをとるのっちに
「あ〜ちゃん来るって?」
分かってて聞いてくる。
「うん!今から行くから待っとって、って。」
嬉しくて思わず語尾がはずむ。

さっきはゆかちゃんに文句を言いたかったけど、これは感謝せねば。
「ゆかちゃん、ありがとぅ!」
「ん?あ〜、別に何か面白そうだったから。」
「なんよ、それ〜。」
ゆかちゃんの返事に脱力すると、ふと、あ〜ちゃんとの会話を思い出した。

—ゆかちゃんも一緒?・・・じゃあ、行く。—
      • じゃあって?のっちと二人だとイヤって事?それ凹むわ〜。


「何、また沈んどるん?あ〜ちゃん来るんじゃろ?」
「あぁ、・・ゆかちゃんおるから来るんて。」
「はぁ?」
その後に、何言うとんの?と続きそうなゆかちゃんの反応。

「・・・だって、あ〜ちゃんがそう言うたんも。」
イジケながら言う。
「あんね〜、のっち〜、それ違う・・・。」
読んでいた雑誌を横に置いて、のっちの方へ近づくゆかちゃん。
なにが違うん?

そこにインターホンが鳴った。
あ〜ちゃんだ。

「・・・ゆかちゃん出て?」
「ここ、のっちの家でしょ?」
「いいからさぁ。ほら〜。」
ゆかちゃんを玄関の方へと押すと、仕方無しにゆかちゃんが玄関に出る。
のっちは部屋に戻る。


玄関が開いてゆかちゃんに迎えられたあ〜ちゃん。
「あれ?何でゆかちゃんが出るん?のっちは?」
「うん、部屋におるよ。」

なんて会話が聞こえてきたけど、きっとあ〜ちゃんは、ゆかちゃんが出て嬉しいはずだ。
のっちはそれでいいんよ。あ〜ちゃんが嬉しければ。

「のっち、何で出てくれんかったの?」
「今、良いトコなんよ。コレが。」
手にしているゲームから目を離さず答える。でも、ホントはそこまで重要な所ではない。

「ふ〜ん・・・。」
軽く相づちを打って、さっきゆかちゃんが読んでいた雑誌を見始めた。
「のっちもゲームなんかしとらんで、こっち来さいや。」
ゆかちゃんが、あたしの隣にしゃがみこんで言ってくる。

「のっちはいいけぇ。」
そしたら、ゆかちゃんに電源切られた。
「あーー!ゆかちゃん何しよるん!」

「はい、これで来れるじゃろ?」
また、あの笑顔・・・。

ゆかちゃん、あんたって人は・・・。


<嫌いじゃけぇ>
Side Aに続く





最終更新:2008年10月13日 18:00