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◇N-side◇
夜、ゆかちゃんの家に来た。久しぶりのゆかちゃんの部屋に、軽く興奮気味。
「はいコレ」
綺麗に包装された紙袋を手渡す。ゆかちゃんは受け取って不思議そうな表情。
「一ヶ月記念日じゃん、だから…」
あ〜ちゃんは喜んでくれたけど、ゆかちゃんは喜んでくれるかな?ウザがられたりして…緊張の一瞬だ。
「え、ほんまに…?ゆかに?」
「うん」
「めっちゃ嬉しい!」
あ、良かった笑ってくれた。のっちも釣られて笑った。てゆーか嬉しくてニヤけた。
「ゆかもね、実はこっそり用意したんよ」
そう言ってゆかちゃんは、引き出しから小さな可愛い箱を取り出す。
「はい、気に入るか分からんけど…」
「ありがとう!」
まさかのプレゼント返しにビックリ。ゆかちゃんも同じ事を考えてたなんて…驚いた。
「まさかのっちがプレゼントくれるなんて思っても見んかった」
それ、あ〜ちゃんにも言われた。そんな適当な人間じゃないよ、のっち。記念日は大切にしますよ。
「開けて良い?」
「うん、のっちも開けて良い?」
「じゃあ、せーので開けよっか」
「「せーの!」」


箱を開くと、中には…。
「…チケット…?」
「わ〜可愛い!ブレスレットだぁ!」
可愛いを連呼して喜ぶゆかちゃん。その隣で、?なのっち。
そのチケットを良く見ると…。
「!これ、のっちの好きなバンドの…!」
ライブのチケットだ。しかも、かなり良い席順。マジで行きたかったんだよね。
「それね、取るの苦労したんだよ」
「これ…確か電話先行販売開始三分で完売したハズじゃ…」
「家族全員の携帯フル活用しました」
えっへん、とゆかちゃんは得意気に言う。のっちも頑張ってみたけど全く繋がらなかったんだ。凄い、嬉しい!
「ありがとうゆかちゃん!」
「こっちこそ、ありがとね」
「来月かぁ…楽しみだなぁ」
何度も何度もチケットをガン見する。二枚ある。ゆかちゃんのと、のっちの。あ〜ちゃんの分は無い。まぁ誘っても興味無さそうだし来ないだろうけど。
「これ、超可愛いね」
ゆかちゃんがブレスレットを着けて見せてくれた。
チェーンの部分が細かいキラキラのハートになってるんだ。少し変わってて、一目惚れした。ゆかちゃんに絶対似合うと思った。
「気に入ってくれた?」
「うんっ、大事にするね」


そう言って微笑むゆかちゃん。その笑顔が見たかった。
二人分でちょっとお金は掛かったけど、食費とかをプレゼント代に回せば間に合った。
「ゆかね、凄い悩んだんだよ」
「ん?」
「のっちに何をプレゼントしたら喜んでくれるかなーって。のっちが喜びそうな物って、ゲームとか漫画とかくらいしか思い付かんくて」
まぁ確かにそれでも嬉しいけどさ。のっちの精神年齢、小学生と変わらんよ。
「あと…AVとか」
「…どんなイメージなんよ」
ヘコむわさっきから。そんなプレゼントされたらリアクションに困る。ちょっと嬉しいかもしんないけど…。
「あはは、冗談だよ」
「…ゆかちゃんがのっちの為に選んでくれた物だったら、何でも嬉しいよ」
うん、本当にそれだけでお腹イッパイです。
「ゆかもだよ」
フワリと真っ黒な髪が舞った。それに見とれた瞬間、唇に甘い衝撃。
全身が、熱い。
のっちは目を閉じた。


二人と付き合って一ヶ月、たくさんの幸せを知って、苦しみを味わった。
あとどれだけ、記念日を君達と過ごせるのかな。
どうかバレないでと願う事は、君達への罪でしかないのに。
今はただ、願う事しか出来なかった…。


◇24:End◇






最終更新:2008年10月13日 18:10