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「あ〜ちゃーん」
どさ、と大きな音を立てて、のっちの体が、体温が、
あ〜ちゃんの上にまるで布団のように覆いかぶさる。
なんて心地良い感覚なんだろ。子供に戻った気分になってしまう。
のっちは私に覆いかぶさったまま、耳の後ろに唇を寄せる。
それがなんだか、くすぐったくて(というより、相当恥ずかしくて)、私は身体を動かしてしまう。
それでも、案の定のっちの体が離れるわけはなく、もっと密着してきて、
今二人の間に大量の水が降ってきても、零れる隙間などないだろうと思わせるくらいに近い。
「あ〜ちゃん、・・・綾香」
あまり呼ばれなれていないその名前を耳元で囁かれたら、
あ〜ちゃんの体温は、一瞬で上がってしまう。うう、なんて恥ずかしいやつなんじゃろ。
「のっち」
何かは答えようと、名前を呼んでみる。
のっちは今なんか覚醒してるみたいだから、あ〜ちゃんの名前をつるりと呼べてしまうけど、
あ〜ちゃんには結構勇気が要るんじゃ。
「こっち、むいて」
のっちにそう甘く囁かれて、自分が目を逸らしていたのに気づく。
のっちの大きな瞳を見つめた瞬間、唇にぶつかる彼女のそれ。
思わず目を閉じる。
何回も、それこそ何回も繰り返した行為なのに、いまだに慣れない。
のっちの舌が、たどたどしく侵入してきて、あ〜ちゃんはより一層目を強く瞑ってしまう。
口の中に入ってくるのっちの感覚とはまた別に、違うのっちの気配。
見られている、と、直感で思う。
のっちはキスをしながらも、あ〜ちゃんのように目を瞑っていない。
のっちがきっと見ているであろうことを意識しだしたら、どんどん心拍数が早くなってしまう。
恥ずかしいけん、やめて。でも、どうしようもなく好きだよ。好きだよ。

今、あ〜ちゃんが目を開いたら、のっちはどんな表情を見せてくれるんじゃろ。
(あ、きっとのっちもこういう気持ちだから、目を開けているんだ。)


end






最終更新:2008年10月13日 18:14