◇N-side◇
「ゆかちゃん、そのブレスレット可愛いね」
「あ〜ちゃんも、そのネックレス良いな〜」
登校中の一コマ。のっち内心死ぬ程ドキドキしてた。恐いよ恐いよ。バレたらどうしよ。
でも二人とも気に入ってくれたみたいで良かったよ。なんだかニヤけちゃうなぁ。
◇
「…のっち、あーん」
「あーん」
昼休み、食堂。のっちは学食のカレーを食べていた。あ〜ちゃんとゆかちゃんはお弁当。
いっつもゆかちゃんは嫌いな野菜をのっちに押し付けてくる。野菜嫌いは昔からずっと。高校生になった今も直らない。
「お母さんがせっかく作ってくれたんだから、食べなきゃダメだよ」
とか言いながらも食べるけどね、のっちは。だって美味しいもん。
「野菜嫌いだもん」
「高校生にもなって野菜嫌いなんて恥ずかしいよ?ね、あ〜ちゃん」
あ〜ちゃんに同意を求めた。あ〜ちゃんはビクッとして、コクコク頷く。ボーッとしてるなんて珍しいな。
「良いもん恥ずかしくても。はい、あーん」
「あーん」
のっちも嫌いな食べ物は有るけどさ。ゆかちゃん程多くないし。
「ほら、あーん」
「あーん」
こんなに美味しいのになぁ。
◇A-side◇
なんか…さっきから二人イチャイチャしてるよね?見ているコッチが恥ずかしいんですけど。てゆーか周りも見てるしさぁ。
「……」
この光景は今に始まった事じゃないけど、最近妙に気になり始めた。のっちはあ〜ちゃんの恋人なのに…。
本当は羨ましかったんだ。あ〜ちゃんものっちに、堂々と皆の前であーんってしたい。
「…あ〜ちゃん?」
のっちが顔を覗き込んできた。ハッとして我に返る。
「どうしたの?凄く…難しい顔してた」
心配そうなのっちの表情。眉毛が下がってる。ゆかちゃんも、心配そうな表情でコッチを見る。
「ううん何でも無い!なんかボーッとしてただけ」
明るく振る舞った。無理して笑うと、胸が痛むのは何故だろう。
「そう?なら良いんだけど…」
まだ心配そうな顔するのっち。心配性なんだから。
「…カレー食べる?」
「ん」
「はい、あーん」
のっちが差し出すカレー。少し戸惑った。ゆかちゃんをチラッと見ると、一瞬目が合って、逸らされた。…ゆかちゃん?
「…あーん」
口に含むと、広がるカレーの香り。
「〜辛い!」
「え、辛かった?水水っ」
舌が、ヒリヒリした。
だけど、嬉しかった。
◇25:End◇
最終更新:2008年10月13日 18:17