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ぼんやりとした頭のまま、近所のコンビニへ。
適当に食べる物を買ってそのまま向かいの公園のベンチに座った。
「…はぁ」
背もたれに頭を乗せてしばらく空を見上げる。
空はあんなに澄んでいるのに、あたしの心はどんより曇っている。
太陽が眩しくて目を細めた。涙が零れそうになって慌てて腕で拭う。
…ちくしょう太陽め。目に滲みるじゃんか…。


ふと、誰かが側に立っているのに気付いた。
「…のっちちゃん、だっけ?話があるんだ」
「……どうぞ」
『直ちゃん』だった。
少しズレて座り直す。空いた所に『直ちゃん』が座った。
「昨日はごめんね」
「え…」
唐突に謝られて意味が分からない。あたし何かされたっけ?


「…実はね。わざと邪魔したんだ、あたし」
「わざと?」
「うん。ゆかちゃんに告白してたんでしょ?…だから邪魔したの」
「な…」
衝撃的な言葉に、頭を撃ち抜かれた気がした。
コンビニの袋がどさりと音を立てて足元に落ちて、さっき買った物達が飛び出した。
「…あたしは、ゆかちゃんが好き」
「…」
「ずっと昔から好きだったの。だから」
『直ちゃん』はあたしの方を一度も向かずに言った。
「のっちちゃんには悪いけど、ゆかちゃんは渡さないから…」
そう言って、立ち上がって去っていく後ろ姿を見つめる。

あたしは何も言えないままうなだれた。流れる汗が欝陶しくて腕で何度も拭う。
「……っ、ゆかちゃん…」
地面に染み込む雫は、どう見てもあたしの頬を伝うしょっぱいそれだった。


㉃END







最終更新:2008年10月13日 18:28