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真っ青な秋晴れの空。
最近やけに冷たくなった風が首もとをくすぐって、やっと夏が終わったんだなと気付いた。

9月ももうすぐ終わるこの頃。隣りを歩くあ〜ちゃんは、早くも衣替えを済ませて冬服を身に纏っている。
あたしはと言うと、ブレザーの堅苦しさが苦手なので未だブラウス、その上に校則違反だけど学校指定じゃない市販のグレーのセーターを着て寒さをしのぐ。指定のセーターもあるんだけれどそっちはイマイチダサいんだよね。
あ〜ちゃんには、のっちいけないんだーなんて言われるけど、うちの学校の生徒の半分はこんな風に制服を着崩してるし、先生が注意する訳でもないし、何より、この方がのっちは格好いいと思うんだ。
周りからも似合うって言われたグレーのセーターを着るのは、あ〜ちゃんの前で少しでも格好いい自分になりたいから。本当の理由はただそれだけ。

わざと手を袖口に半分入れて(この方が何となくお洒落な気がするけぇ)、ブレザーをしっかり着こなしたあ〜ちゃんの白い手にさり気なく、触れる。
あ〜ちゃんはすぐにその感触に気付いて、あたしの顔をちらって見てきた。それを合図に手を握る。指と指を重ねた、恋人繋ぎ。

なにするんよのっち、これじゃバカップルみたいじゃ、そんな事を零しつつも、あ〜ちゃんが柔らかく微笑んだ。
手の平全体から、あ〜ちゃんの温度が伝わってきて、寒かった身体に熱がどんどん伝わってきて。

「ねぇあ〜ちゃん」
しあわせだねって。言おうとしたら

ピタッと止まった足音。ゆっくり歩いてたから転ぶ事は無かったけど、急に止まったから少し驚いた。
どうしたのって聞こうと顔を覗き込んだら、
ちゅっ、て音が立つ位の軽いキス。でも感触は確かに唇に残った。

目の前には自分からした癖に、頬がピンクに染まったあ〜ちゃん。


「‥‥あ〜ちゃん?」
ねぇ、うちらバカップルみたいだよ?
人の事、言えないじゃん。


目の前に居る真っ赤になって俯いてる女の子が可愛くて仕方なくて、思わずぎゅっと抱き締めた。髪の毛から香るシャンプーの匂いが、あ〜ちゃん特有の甘い匂いが、身体に伝わるあ〜ちゃんの熱が、心臓の音が、
全部が上手く調和して、のっちの中に入りこんで、余計に胸を締め付ける。

ねぇ、あ〜ちゃん、
しあわせがいっぱいすぎて、のっちの胸がはち切れそうだよ。
これ以外失ってもいいから、この幸せ、あ〜ちゃんと一緒に居られる事、どうか消えて無くなりませんように。


通行人の皆さんにお願いします。
今日はのっちとあ〜ちゃんバカップルで居させて貰うけぇ、滅多にないんだから、ちょっと位見逃してね、

「あ〜ちゃん、だいすき」
ちっちゃな耳元で、そっと囁いて。もう一度、キスをした。


END





最終更新:2008年10月17日 14:00