Side N
「ハンバーグ対決、あ〜ちゃんと一緒になれて幸せだったよ〜。」
「あ〜ちゃんも、なんか嬉しかった。」
お腹いっぱい、幸せいっぱいなあたし達二人。
ゆかちゃんは、罰ゲームで、直ちゃんとアンガールズさんの四人でお皿荒いの最中。
よって、Perfumeの控え室には、あたしとあ〜ちゃんの二人だけ。
「でものっち。ハンバーグは押したらあかんよ?」
「あ〜、ごめん。なんか、つい・・・押したくなっちゃってさぁ。」
「ハンバーグ作る時は、気ぃ付けんさいよ?」
「あ〜ちゃんが作ってくれるのを手伝う時、気を付けるけぇ。」
「何言うとるんよ。自分で作りんさいな。」
「だって、あ〜ちゃんのハンバーグより美味しくなんて、作れんも〜ん。かっしーも食べたい言うてたしぃ、かっしーも呼んで家で作ってよ〜。」
ちょっと甘えてみる。
あ〜ちゃんは考える素振りをしてから
「あ〜ちゃん家じゃないけど、ゆかちゃんの望みじゃけぇ、作るわ。」
「や〜りぃ!今から楽しみじゃね。」
あたしの為じゃないのが、ちょっと淋しいけど・・・。
これでも一応・・・
「あっ、そういえばさ〜あ?」
「ん?」
あ〜ちゃんが何か思い出したらしい。
「西岡さんが『あ〜ちゃんとのっちの関係が・・・』って言った時、一瞬キョドったんけど、全然違くて良かったわぁ。」
「『師匠と弟子』だったもんね。あれが『若奥さんとダメ亭主』だったら、あたしもヤバかった。料理どころじゃなくなるよ?」
「どうなるんよ?」
と、これでも一応、あたし達の関係は・・・、実は、こ、恋人・・・で。ウ、ウソじゃないよ?ホントにホントなんだって。あたしも信じられんけど!
そんでもって、普通にあたしよりかっしーを優先しちゃう所なんか、あ〜ちゃんらしいし!
意外とヤキモチ妬いてくれちゃう所なんてめちゃ可愛いし・・・。
おっと、いかん。話がずれてしもた。
「だって〜、あ〜ちゃんと一緒ってだけで、もうウハウハなのにさぁ・・・。」
「怒られてんのに嬉しそうじゃったもんね・・・。」
あ〜ちゃんの視線が冷たい。・・・ごめんなさい。
「だって、嬉しかったんもん。あ〜ちゃんのエプロン姿めっちゃ可愛くて似合っとったし・・・。」
「・・・ありがとぅ。」
あ、あ〜ちゃん照れとる。
「その上、若奥さんなんて言われたら、想像しちゃうじゃん?」
「何を?」
まだ、ちょっと頬を赤らめて聞いてくる。
「ほら、あれよ。旦那が帰ると奥さんが出迎えてくれて、『お帰りなさい♪ご飯にする?お風呂にする?それとも〜・・・』うはーwってやつ。ぅわ、なんか恥ずかしくなってきたぁ。」
あ〜ちゃんで想像したらあたし死にそうだった。あっぶな〜。
「あ〜ちゃんは、ちゅ〜がえぇなぁ〜・・・。」
「そうそう、あたしもty・・・ぅえ!?」
あ〜ちゃん!今ちゅ〜がえぇと申したか??
「えっと・・・い、ま?」
変に声が裏がえってしまったあたし。
「・・・ぅん。」
自分から言い出したのに、照れながら頷くあ〜ちゃん・・・かぁわいぃぃっ。
しかも上目遣い!堪らなく可愛いぃじゃろ!こりゃあ、いくしかない。
あ〜ちゃんの肩に手を掛けて、
「ホントにええの?」
「・・・二度も言えんてぇ。」
どうやら、恥ずかしいらしい。
あ〜ちゃんとのキスは、まだ数えるほどしかした事がない。
そりゃあ、何回もしたいと思う瞬間はあった。
でも、愛し過ぎて動けんなって、ただ優しく抱きしめるのが精一杯で、あ〜ちゃんはそれだけでとても幸せな顔を見せてくれるから、あたしの思いは満たされてしまうんだ。
『側に居てくれるだけで良い。』って言ってくれたあ〜ちゃんだから。一方的にもしたくないんよ。
あ〜ちゃんからキスしたいって言ってくれたの初めてで、あたしは正直嬉しい。
恥ずかしがっているあ〜ちゃんの右手に、収録中にしたみたいに指を絡める。
あ〜ちゃんがゆっくり握り返してくれるのを合図に、あたしから唇を寄せていく。
触れたあ〜ちゃんの唇は少し緊張していたけど、しばらく触れ合っていると柔らかくなって、あたしを受け入れてくれる。
「ぅん・・ぁ・・。」
あたしの舌があ〜ちゃんの唇に触れて聞こえてきた声に一瞬、頭の中が真っ白になって、気付けばあ〜ちゃんを押し倒していた・・・。
「のっ、ち?」
驚いたあ〜ちゃんが、あたしを見上げている。
「ごっ、ごめん!」
自分のした事に気付いたあたしは、あ〜ちゃんから手を離して謝る。
こんな所で何やってんだ。あたし。というかこんな状態になったのは初めてで、自分でも焦る。
「・・・わざとじゃ、ない?」
確認するように聞いてくる。
何回も頷いて答える。
「ホンマにぃ?」怪訝そうな顔で聞いてくる。
そりゃ、したいと思う気持ちがないと言えばウソになっちゃうけど。
「ホンマにホンマやけぇ。あ〜ちゃんの声が色っぽくて・・・つい・・・。」
あ〜ちゃんが望まないのにしたくない。
「・・・ハンバーグ押したくなったみたいに?」
今度は、少し悪戯っぽく笑っていて、良かった。
「はぁ・・、反射的に・・・。・・・ごめん。」
あ〜ちゃん恐がらせちゃったかもと、とっても反省中。
「えぇよ、えぇよ。ちょっとビックリしちょぅたけど。あ〜ちゃんの嫌な事のっちがせぇへんの知っとるけぇ。」
これは、あたしあ〜ちゃんに信用して貰えてるってことかな?だとしたら嬉しいよ。
「あ〜ちゃん・・。」
あたし、ちょっと涙目。
「でもぉ・・・。」
?
「でも?」
「のっちの左後ろが許してくれるか、分からんわぁ。」
あたしを見ていたあ〜ちゃんの視線が、あたしの後ろへと移っていく。
それを追いかけるように、あたしも後ろを振り向く。
そこには、いつの間にか戻っていたかっしー・・・。腕組みをして、視線が恐い・・・。
「お、お帰りぃ、かっしー。」
「なんが、お帰りぃ、じゃ。うちがおらん間に、あ〜ちゃんに何しとるんよ。」
「あの、いつからそこに?」
「・・・『あ〜ちゃんの声が色っぽくて・・・』の辺りからじゃけど?」
あたし達の方に近づきながら答えるかっしー。
全然、気付かんかった〜。色々必死すぎた・・・。
あたしの横まで来て、しゃがみ込む。
「のーっち。」
「は、はい?」
「あ〜ちゃんに何してたのかな?」
「ぃや、あの、あ〜ちゃんがキスしたいって言ったから・・・。」
「ほ〜ぉ?これがキスする体勢じゃと?」
「こ、これは不可抗力で・・・。」
「つい?」あたしが言った言葉。
「は、はぃ。」
かっしーに責められとるあたしに、助け舟をだしてくれたのはあ〜ちゃん。
「ゆかちゃん。のっちわざとじゃない言うとるし、許してあげてよ。」
さすがあ〜ちゃん!やっぱり優しいわ。
「もぅ、あ〜ちゃんは甘いんよぉ。・・・のっち、とりあえず、あ〜ちゃんから離れろ。」
ぉぉおお怒ってる、かっしーが笑顔で怒っているぅ。
あたしは返事をしてすぐ、猛スピードで2mほど離れて正座していた。
え〜と、かっしーはあたし達の関係をちゃんと知っている。
というか、あたしがあ〜ちゃんとこうしていられるのも、かっしーが色々助けてくれたからなんだ。
今でも、ちょこちょこ気にしてくれている。特にあ〜ちゃんに対してな気がするけど・・・。
あ〜ちゃんが体を起こして
「のっち、そんなに離れんでもえぇにぃ。ゆかちゃんも、今回はあ〜ちゃんが言い出したことじゃけぇ。ね?」
「・・・別に好き同士なんけぇ、したって構わんよ?・・・しかーし!のっち!」
ビシッとあたしを指差すかっしー。
「はい!なんでしょう!」姿勢を正して答える。
「ココは何処じゃ?」
「控え室であります!」
「そうじゃ。つまり、ゆか以外が戸を開けるかもしれんゆう事じゃ。」
あたしが、あぁ〜という表情をすると
「言いたいこと分かるじゃろ?」
他の人に見られるかもって事だよね?
「うん。今度から良く考えて行動するわ。」
「ん、宜し。」
にこにこと笑顔を向けてくれた。今度は恐くなくて優しい笑顔。
あたしは、最近思う。もしかしたら、かっしーもあ〜ちゃんを・・・って。
それでも、あ〜ちゃんの気持ちを守り通しているかっしーに、あたしはあ〜ちゃんを大切にするって約束したんだ。場所を考えるっていうのも、そういう事だ。
「二人共、もう大丈夫?」心配そうにあ〜ちゃんが聞いてくる。
「うん、もう、大丈夫じゃ。またしたら、ただじゃおかんけぇ。のっち。」
「任しときんさいな!」
あたしは、両手の親指をビシッ!と立たせて見せた。
「あ。そうそう、ゆかちゃん。」思い出したように話し出すあ〜ちゃん。
「何?」
「今度な?のっちん家でハーンバーグ作るんけど、来てくれん?」
「それは、ゆかお邪魔なんじゃないの?」
「な〜に言うとるんよぉ。あ〜ちゃん、ゆかちゃんが食べたい言うたから作るんけぇ。あ〜ちゃん家じゃないけど。」
「ホンマにぃ?」
そこに、離れたままの場所からあたし。
「ホンマよ〜。あたしが食べたい言うても、『自分で作りんさい』言われたに、かっしーがぁ言うたら『じゃあ、作る。』言うたんよ?ヒドイと思わん?」
なんて言ったら、かっしーはあ〜ちゃんにガバッと抱きついて
「あ〜ちゃん行くよ!絶対行く!あ〜ちゃんありがと。へへ。」
「へへぇ〜、良かったぁ。」
あ〜ちゃんの嬉しそうな顔が、めっちゃかわえぇけど・・・かっしー、あ〜ちゃんに抱きついてぇ・・・。
うらやましす。
という訳で、今度家で作ることに。
あ〜、今から楽しみじゃね。またあ〜ちゃんのエプロン姿が見れる・・・。
想像したら、怪しい笑いをしていたみたいで、「きもい・・・。」と二人に言われてしまった。
<二人の関係>
Fin?
最終更新:2008年10月17日 14:18