今日はのっちの誕生日。
お仕事が終わった後、サプライズでケーキが出てきて、スタッフさんと皆で食べて、プレゼント貰って、本当幸せな1日だった。
でも今日の最大のイベントは、のっちの家にあ〜ちゃんとゆかちゃんが来る事。誕生日の夜はPerfume3人で一緒に過ごそうって、何か月も前から約束してた。
すでに何回もお泊まりしたり、部屋に呼んだりしてるのに、今日は何だかいつもより胸が騒ぐ。2人は家に荷物を置いてから来るって言うから、のっちは一足先に部屋で待構える。ああ、早く来ないかな。時計の秒針が、いつもより遅く回ってる気がするよ。まだ家に着いてから、何分もたってない。気持ちばっかりが早く!早く!って焦ってばかり。20歳になったのに、こんなにもはしゃいでしまうのは、まだまだあたしは子供だって事かな。
ピンポーン
そうこう考えてるうちに、家のインターホンが鳴った。すぐさま玄関へと走って、ロックを外してドアを開ける
「は〜い待っとった「のっちハッピーバースデー!!!!!」
扉を開けると同時に、大きな声とぱぁんってクラッカーの音が鳴る。
びっくりして思わず目がぱちくり。
「あっ、のっちが空豆さんになっとる」
「いくらなんでもびっくりしすぎよ、のっち」
2人は笑いながらも、玄関に入ってきて、あたしの身体をぎゅーって抱き締めてきた。
「おめでとうのっち、」
「うちらよりお姉さんじゃね。」
でも全然お姉さんには見えんわーなんて言いつつ、靴を脱ぎ終わると、のっちの手を片方ずつ握ってきた
「さっ、パーティーを始めますか!」
ゆかちゃんの合図で、3人でリビングまで駆ける。
うひゃーなんて声を発しながら、あ〜ちゃん、あたし、ゆかちゃんの順でリビングにあるソファーへ着地。
勢いをつけたもんだから、あ〜ちゃんはあたしとゆかちゃんに潰されてしまって、もー2人共重いわ!っなんて言いながら笑い出す。
そんなあ〜ちゃんがおかしくてうちらも笑いだす。うん、こういうの、すっごい幸せ。
それから3人であ〜ちゃんが持ってきた手料理を食べて、騒いで、ゲームして、のっちだけお酒を少し飲まされて(もう20歳じゃけぇ)、でもすぐ顔が真っ赤になったらしくて、それ見て2人が笑って、のっちもつられて笑って。
あっという間に時間は過ぎて。あと5分で日付が変わってしまう。
「あっ、もうこんな時間じゃ。」
そう言ったあ〜ちゃんは、何やら自分の鞄をガサゴソ探り出す。そして小さな白い紙袋をあたしの前に差し出した。
「はい、これ。」
「うちとあ〜ちゃんで選んだんよ。」
そう言って渡された紙袋の中には、ピンクのリボンでラッピングされた箱が入っていて。中を開けると、シンプルな、でも格好いいシルバーのブレスレットが入っていた。
「うわぁ‥‥めっちゃ嬉しい‥‥ありがとう」
思わず口から言葉が零れる
「これ‥‥うちらとお揃いなんよ」
その言葉を聞いて2人の手首を見ると、確かに同じデザインのブレスレットが光る。
「のっちあんまり可愛いのつけないけぇ、ちょっとシンプルすぎるかなと思ったけど、」
「やっぱこれがいいかなって。」
やばい、嬉しすぎて涙出ちゃいそう。
泣きそうな顔を見られたくなくて下を向いたら、ゆかちゃんに感付かれて、顔を覗き込まれそうになる。‥‥‥‥危機一髪で顔を逸した。
「なーに、泣き顔位見せてくれたっていいじゃん」
ゆかちゃんの声に、あ〜ちゃんがすぐさま反応する。やばいぞ、これは。
ニヤニヤしながら2人の顔が近付いてきて、両サイドから身体を掴まれて押し倒される。もう逃げ様がない。2対1は卑怯だよ!
必死の抵抗も空しく、きっと涙でぐしょぐしょになってるであろう顔をばっちり見られた。うう、恥ずかしい‥‥!
「のっちかーわいっ」
「ほんま、どうしようもない子じゃねぇ」
頭を撫でられ、瞼やほっぺに2人の唇が当たる。たまに涙を舐めてるのか、軽い舌の感触がして。もう、やめて、照れるから!
あ〜ちゃんとゆかちゃんの唇が、触れる度に顔がどんどん熱くなる。さっき飲んだお酒、まだ残ってるのかな。
顔中のキス攻撃も終わり、のっちの右側にあ〜ちゃん、左側にゆかちゃんが寝転がる。
「のっち、ブレスレット大事にしんさいや」
「無くしたら承知せんよ」
言葉はちょっぴり冷たいけれど、そう言いながら触れてくる体温は凄く暖かい。
その温度差が心地良くて、安心出来て、また涙が出そうになる。
まったく今日ののっち、ただの泣き虫じゃん
「絶対無くさんよ、ブレスレットも、」
「あ〜ちゃんとゆかちゃんも。」
大好きじゃけぇ。無くさんよ。絶対手放さんよ。
3人そろってPerfumeだから。
その日はのっちのベッドで3人くっついて眠った。
最高に幸せなプレゼント。ありがとうね、あ〜ちゃんゆかちゃん。
END
最終更新:2008年10月17日 14:23