◇N-side◇
あ〜ちゃんと初めて体を重ねた日から、二日が経ったある日の夜。
ゆかちゃんが家に遊びに来ていた。キッチンで料理をしてるゆかちゃんに、少し聞きたい事がある。
「ねぇ、ゆかちゃんさ…」
「なに?」
「オナニーした事…ある?」
ボケッとそう呟いた。ブッ殺されると思った時にはすでに遅く、キッチンで包丁を握ったゆかちゃんが般若の笑顔で振り返った。包丁がキラリと光る。
「ごごごごごめんなさいっ嘘です冗談です殺さないでっ」
ソファの影に隠れるのっち。
なぜ聞きたかったかと言うとね。あ〜ちゃんとエッチした時、最初全然濡れなかったのは今までに一度もそーゆー刺激を受けてなかったから…かも。
何度もやってる内に濡れやすくなるらしい。エッチな本に書いてあった。
だから…初めての時も、かなり濡れてたゆかちゃんは…もしかすると、一人でした事あるのかなって。
「…した事、あるよ」
あ、やっぱり。そして、やっぱりあ〜ちゃんが濡れにくかったのはそれかと勝手に確信する。感じてたのは嘘じゃないっぽいし。
「でも、のっちとする方が…良かったよ」


…この淫乱うさぎさんめ。普段はヘタレ犬なのっちだけど、狼さんにもなれるんだぞ。
「ゆーかちゃん」
そっと近付いて、背後から抱き締める。
「危ないけぇやめんさい」
そのサラサラな黒髪から覗く耳は赤くて。ぶっちゃけカミングアウトした事、絶対後悔してるんだろうなぁと思い込む。
「のっちのが良かったって本当?」
本当はめちゃくちゃ嬉しかったんだよ。
「…うん」
あぁもう、狼さんお腹ペコペコ。腕の中のうさぎさんを食べたくて仕方が無いよ。
「そっ…かぁ」
のっちの手はスーッとゆかちゃんの胸とお尻に延びていく。やっぱりあ〜ちゃんと比べたら…ね。まぁそこんとこ本人も気にしてるだろうから口が裂けても言えない。言ったらどうなっちゃうのか…考えただけでも恐ろしい。
「のっち、危ないってば」
「料理も美味しそうだけど…ゆかちゃんも美味しそう」
耳元で囁くと、ピクンとゆかちゃんが反応した。可愛い。
「食べちゃいたいよ…」
エプロンの隙間から手を入れ、薄いシャツを捲りあげる。
「ゆかちゃん…今度のっちにオナニー見して」
「今包丁持っとるよ」
「はいごめんなさい」
結局中身はヘタレわんこな狼でした。


◇33:End◇






最終更新:2008年10月17日 14:30