毎日お城で開かれる朝礼。
厳かな雰囲気の中、勢い良く扉を開ける少女がいた。
「すみませんっ!寝坊…しました」
短い髪に黒い服、すらっと伸びる手足、端正な顔立ち。
彼女は顔を真っ赤にさせながら自分の位置につく。
すると彼女の先輩らしき男が近づいてきた。
「またお前か…今日こそは許さん。歯を食いしばれ!」
「は、はいーっ!」
「待ちなさい。」
男が腕を振り下ろそうとした瞬間、朝礼が行われていた舞台から力強い声がする。
「その者を後で私の部屋に来させよ。朝礼を遅刻した罰は私が下す。」
「ですが姫…姫様にわざわざこんな奴の罰なんて」
「私の言うことが聞けないというのか?」
「いえ!そういう訳では」「ならもう良いであろう。今日の朝礼は終わりじゃ」
そう言って舞台の袖にはけて行く少女はこの王国の姫。
ワンピースのようなドレスにふわふわとしたパーマがかかった髪。
怒ったような口調で話している割には目には笑みが浮かんでいた。
そして目が笑っている少女がもう一人。
「遅刻した者よ。私に付いてきなさい。姫の部屋に案内する。」
長いストレートヘアーに細い身体。特徴的な声で話す彼女は遅刻した少女を置いてスタスタと歩いていく。
「あっ…ちょっと待って、待って下さい〜!」
後を追い掛ける少女の目にも笑みが浮かんでいたことには誰も気付いていなかった。
最終更新:2008年10月17日 17:11