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  • Side N-


あ〜ちゃんと漫才にも似たやり取りをしてる間にゆかちゃんがお風呂から上がって来た。
たいした収穫も得られないままモヤモヤは、依然私の心に影を落としている。

A『じゃ、あ〜ちゃんお風呂借りるけん。』
N『は〜い。ごゆっくり〜。』
去り際あ〜ちゃんが目配せをして来た。
(上手くやりんさいよ)
て、ところかな?
(OK!)
あたしも負けじと親指を立てる。
呆れた顔になり無言で立ち去るあ〜ちゃん。
ん?何がいけんかった?
ふとゆかちゃんに目をやると私の親指に視線を注いでいた。
N『あっ、いやっこれはっ!!』
慌てて手を背中に回し隠してみてももう遅い。
K『何の合図か知らんけど、隠さんにゃあ意味ないじゃろ。』
呆れた顔のゆかちゃん。
N『い、いやだなぁ〜。合図だなんてそんな訳…。』
K『はいはい。』

あれ?前と同じ空気だ。
感じてた違和感が消えている事に首を捻る。
いや、消えたならそれにこした事はないのだけれど。

K『あ〜ちゃんと何話よったん?』
唐突な切り出しに私は驚いて主導権をあっさり手放す。
N『い、いやぁ別にこれと言って…。ま、世間話?』
K『ふ〜ん。』
納得してない顔は少し意地悪い微笑みを浮かべ私に近づいてくる。
K『ゆかには言えん事?』
私は押し倒されゆかちゃんに馬乗りになられた。
N『ゆ、ゆかちゃん?!』
これからどうなるのかわからずただただ戸惑う私を見てニヤリと笑い、ゆっくり顔を近付けてくるゆかちゃん。
それはとても軽く触れるか触れないかのキスで、離れていく唇に物足りなささえ感じた。


K『ゆかとHな事したい…?』
これまた唐突な発言。
小悪魔の微笑みで私を挑発し見下ろす、その姿に全身の血が一気に沸騰する。
N『し、したいですっ。』
K『ホントに…?』
問い掛けながら私の手を取り自分の顔へと引き寄せる。
N『はいっっ。』
K『じゃあ…。』
呟きながら私の指先にキスをした。

ゴクリ

生唾を飲み込む音が聞こえたかも知れない……。
でも今はそれを取り繕う余裕なんてない。
N『じ、じゃあ…?』
K『何の話してたか教えてくれる?』
N『え?………あぁ、いや、本当に世間話だよ。まぁ、後は美人だねって言われたくらいかな。』
全てを話せる訳もなく、でもどうせならヤキモチくらい妬かせてみよう、なんて浅はかな考えでそう答えた。
K『ふ〜ん…。』
ゆらっと彼女の瞳がゆれ、体の動きが止まる。
ここぞとばかりに私は上半身を起こしゆかちゃんを抱きしめ、いわゆる座位の体勢をとる。
彼女の瞳のゆらぎは気付いていた。けど今の私には余裕なんかない。
今このチャンスを逃すまいと必死だった。


あぐらをかいた私の上に座る彼女をぎゅっと強く抱きしめ、首筋に口づける。

ピクッ

と彼女の体が小さく震えたかと思うと、みるみる弛緩して行くのがわかった。
K『のっち…。』
ゆかちゃんの手が私の肩にかかる。
それを合図に私は唇を首筋から彼女の唇へと移動させた。
唇が重なる瞬間、
K『今はダメ…。』
また生殺しっ?!
N『止まんないんだけど…。』
構わずキスしようとした私の唇を彼女の長い指が阻止する。
K『止めて?』
ニコリと笑いサラリとかわす。
いつもそうなの。
意地悪してるんじゃない??
N『じゃあ煽らないでよぉぉ〜。』
余裕な彼女に対して情けない私。
K『ふふっ。ごめんね?』
無邪気に笑う彼女に私の邪気は打ち消されて行く。
もう、仕方ないなぁ…。なんだかんだ言って私はゆかちゃんに甘い。
N『はぁ…。結構ツライんだよ?スン止めって。』
K『そうなの?』
N『そうなの。』
分かってて煽ってる癖に、なんて言えないけどね。
ふいに彼女が私にしがみついて耳元でこう囁いた。
K『…今度好きなだけさせてあげる。』
だから!それが煽ってるって以外になんだっつーのっ!!
なんて、これまた言えないんだけどさぁ……。
自由気ままに私を翻弄して、するりとかわしまた私を翻弄する。
どこまで言っても君には勝てないし、またそれでいい。
これくらいの感じが多分ちょうどいいよね。






最終更新:2008年10月17日 17:17