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SIDE-N

「のっち…あんたえー加減にしんさいよ。」
「はい…すみません」
「今日で遅刻何回目なぁーのかなぁー?」
「…5回目です」
「一発殴ってもらった方が良かったわ」
「あ〜ちゃんひどい…ゆかちゃーん!」
「あ〜ちゃんの言う通りじゃ」
「ゆ、ゆかちゃんまで!?二人ともひどいよー」


はい。どうものっちです。只今この国が誇る姫と神官にいじめられています。
殴ってもらった方がいいなんて物騒なことを言ったのがお姫様のあ〜ちゃん。
そのあ〜ちゃんの隣でこの状況を一番楽しんでいるのが神官のゆかちゃん。
そしていじめられているのっちは下級兵士。
実はのっちとこの二人は幼なじみでして。
小さい頃は位とか時間とか関係なく遊べたんだけど、今となってはいつもこんな形でしか3人揃えない。
あ〜ちゃんからのお呼び出し、ゆかちゃんからのお呼び出し…って、のっち凄く悪い子みたいじゃん!
うー…でも会えるならいっかなんて。

「ま、今回殴られんかったのはあ〜ちゃんのお陰じゃけぇ」
「うん…ありがと」
「ん、どういたしまして」

それから少しの間、特にこれといった会話もなく。
この3人なら黙っていても苦じゃない。逆に何だか落ち着かせてくれる。


「あっ!」
「何!?」
「ゆか礼拝堂行くの忘れてた!」
「い、いきなり大きい声出さんでくれる…?あ〜ちゃん心臓止まるかと思ったわ」
「のっちも…」
「あーごめんごめん」

今すぐ行ってくると手をひらひら振ってゆかちゃんは部屋を出て行った。
必然的にあ〜ちゃんと2人な訳で。まだ心臓はドキドキしてる。てかさっきよりも。


「ほんっっまにびっくりした!」
「のっちも超びっくりしたよ」
「寿命10年ぐらい縮んだと思わん?」
笑顔で振り返って聞くあ〜ちゃん。脈が速く打つ。

「のっち聞いとるん?」
「え…あぁびっくりし過ぎて聞いとらんかった」
「はー?!のっちの癖に生意気じゃー」
「わー!ごめんなさいごめんなさい」

あ〜ちゃんが本気で投げてくるクッションを避けながら部屋の中を走りまわっていると、そのうち午前の訓練開始5分前の鐘の音が聞こえた。

「やばいっまた遅刻しちゃう!あ〜ちゃんごめん行くね!!」

のっちは急いで広場へ向かう。
まだ心臓がドキドキしてるのは、ゆかちゃんの声のせいでも、部屋を走りまわったせいでも、今急いでるせいでもない。
その理由は痛いぐらいにわかってる。


その人を守るために早く一人前の戦士になるんだって。そう心に決めたから。







最終更新:2008年10月17日 17:26