SIDE-K
別に神官になりたかった訳じゃない。
どちらかと言えば嫌だった。
先祖代々神官の家にたまたま生まれたから。
最初はただそんな理由で。
成長するにつれて皮肉にもゆかの神官としての才能が開花していった。
周囲からの期待や圧力に押し潰されそうになっていた頃もあった。
それでもゆかが神官を続けてる理由。それは…
適当に礼拝をすませて、あ〜ちゃんの待つ部屋に戻る。
あ〜ちゃんは窓を開けて広場の方を眺めていた。
「あ〜ちゃんただいま」
「んーおかえり。礼拝終わんの早くない?」
「うん。てきとーにしたから」
「ふふっ、不真面目な神官様じゃねー。のっちの方が真面目かもしれんよ」
ゆかもあ〜ちゃんと一緒に広場の方を見る。
兵士たちが長い棒みたいなのを持って訓練していた。
「のっちも訓練行ったん?」
「そーよ。また遅刻するー言うて走ってった」
少しつまらなさそうに訓練を眺めるあ〜ちゃん。
のっちが真面目なのは知ってたよ。
あ〜ちゃんは知らない。
のっちがどうして一生懸命訓練しているか。
それはゆかが神官で居続ける理由と同じ。
ただあ〜ちゃんのそばに居たいだけ。
ゆかとのっちは誓った。
そばに居るためにゆかは神官として先を読み、将来起こる出来事に備えてあ〜ちゃんを守る。
のっちはあ〜ちゃんに仕える1番の戦士になって、自分の力で守るんだって。
「ゆかちゃん?大丈夫?」黙っているゆかをあ〜ちゃんは不思議に思って聞いてきた。
「あ…うん大丈夫。あ〜ちゃんに見とれてただけよ」「もーゆかちゃん冗談やめてーよ。あ〜ちゃん恥ずかしい」
少し頬を朱らめて照れ笑いするあ〜ちゃんをゆかはいつまでも見ていたいって思ったんよ。
最終更新:2008年10月17日 17:41