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  • Side A-


A『あ〜ちゃんだって2人に側にいて欲しいよっ!でも……。ゆかちゃんに嫌われるくらいならって。』
K『嫌う?!誰が誰をよ?』
A『じゃけぇ、ゆかちゃんがあ〜ちゃんをよっ。』
もうなんか頭も心もぐちゃぐちゃで上手く話せない。

K『…確かに、あ〜ちゃんに嫉妬してたよ。でも嫌う訳ないじゃん。ゆかは、……あたしはそんな自分が嫌いだった。』
静かで優しい口調。
何かを確かめるようにゆっくり話し出す。
K『のっちがあ〜ちゃんに懐いて行く度に嫉妬してた。』
A『じゃけえ、あ〜ちゃんは、』
K『違うの。のっちにも嫉妬してたの。』
A『え?』
意外な答えに戸惑うあたし。

K『あ〜ちゃんの隣はあたしの居場所だった。でものっちにそこを奪われそうな怖さがあった。』
A『……ゆかちゃん。』
ゆかちゃんの話に真剣に耳を傾けるあたしの涙は止まっていた。
K『でも、もちろんのっちの事も大好きで。仲良くしてる2人を見るのが大好きなのに、………あたしは要らないって言われてるみたいで怖かった。』
下を向いて話す彼女の横顔はとてもキレイで、それに見とれてあたしは身動き一つ取れないでいた。
K『2人が大好きなはずのに、2人共に嫉妬してる自分が許せなかった……。3人でいる心地良さが、居場所が無くなるのが怖かった。』


A『ゆかちゃんのばか…。』
思わず、彼女に抱き着いた。
K『へっ…、あ〜ちゃん??』

A『あ〜ちゃんだって2人に嫉妬しとったっ。だってどうあがいてもあ〜ちゃんは2人の1番にはなれんじゃんっ。』
K『あ〜ちゃん……。』
ゆかちゃんは、ポンポンと優しく背中を叩いてくれる。
A『あ〜ちゃんは我が儘じゃけぇ、2人に必要とされんとダメなんよ。』
K『ふふっ…、ゆかと一緒じゃね。良かったぁ〜、あ〜ちゃんに嫌われたらゆか生きていけんよ。』
A『嘘言いんさいや、のっちがおるじゃろ。』
K『のっちだけじゃ、ヤダ。あ〜ちゃんもあたしには必要だもん。』
A『我が儘じゃねぇ。』
K『あ〜ちゃんに言われたくないっ。』
フフフッとどちらからともなく漏れる笑い。

本当に良かった、まだ3人でいられる。
ん?3人……。あ、1人忘れて盛り上がってしまってた。
A『あっ、』
K『のっち。』

同じ事を思ってたのかゆかちゃんがのっちの名前を出す。
抱きしめていた彼女の体から離れるとお互いの顔を見合って笑いあった。
A『戻る?』
K『あ〜ちゃんも一緒にね。』
A『もちろんよ。』

なんだ、あたしもゆかちゃんも同じ気持ちだったんだ。
のっちに対する気持ちとあたしに対する気持ち。
意味は違っても必要としてくれる想いの強さは同じなんだね。

のっち、あんたには負けんけぇね、覚悟しんさいや。


  • Side N-


なんなんだ…。
独り取り残された私は途方に暮れる。
N『のっちだけ仲間割れ…。』
小さく呟いてどん底まで落ち込む私。

ゆかちゃんは私の恋人なのに、あ〜ちゃんは私の親友なのに。
2人とも私を置いてけぼりにして進んで行く。

もう2人共知らん。

拗ねた私はベッドに潜り込みふて寝を決めた。
その時、

ピンポーン

ん?誰だよまったくこんな夜遅くにっ!
のっち今機嫌悪いんだって……、ゆかちゃん!?あ〜ちゃん!?

眉間にシワを寄せながらドアを開けたそこに帰ったはずの2人が立っていた。
何のドッキリですか?
周りをキョロキョロしてみるももちろんカメラなんてある訳なく。
A&K『ごめんなさい。』
打ち合わせでもしたのか揃う声。
N『は……??』
K『のっち、ごめんね、愛してる。』
A『のっち、…大好きじゃけん。』
各々好き勝手に言うと同時に私に抱き着いて来た。
N『ななな、何?!何なんよ!?』
訳も分からず2人に抱きしめられるままただひたすらパニックに陥る頭。
そんな私に構わずクスクス笑う2人に込み上げてくる涙。
寂しかった涙でもあり嬉し涙でもある。
ぐちゃぐちゃの気持ちに訳の分からない涙が溢れる。

何なんだ、全く。2人も私も。


3人とも同じような気持ちだったんだね。
ゆかちゃんを愛してるのと同じくらいあ〜ちゃんも大切で、どっちかなんて選べない優柔不断は私だけかと思ってたのに。

戻って来た2人はそんな話をしてくれた。


ゆかちゃんから感じてたモヤモヤ感はゆかちゃんの葛藤。

さっきのあ〜ちゃんの素っ気ない態度はあ〜ちゃんの強がり。


のっちはまだまだ未熟じゃね……。
大切な人達の不安や悩みに気付いてあげられんかった。
なんて落ち込んでるとやけに今夜の2人は優しくて。
そのままののっちが好きだとか、そこがのっちの良いとこだ、
なんて甘やかす甘やかす。
そんなんでのっちの機嫌取ろうなんて甘いんよっ!
……仕方ないから今夜はおだてられといてやるか。

A『やっぱアホじゃ。』
K『アホじゃないよ、単純なだけよ。』
N『ちょっと!!』
A『褒めとんよ。』
K『そうよ、褒めとんよ。』
N『褒められてる気がせんよ……。』
A&K『そう?』

まったく3人揃うといつものっちがいじめられるんよね……。

K『いじめてないよ。』
A『可愛がっとるんよ。』
A&K『ねぇ〜。』

無邪気に笑う2人を見ていたら私の待遇なんでどうでも良くなって来る。
それで彼女達が幸せなら、そんな彼女達を1番近くで見ていられるなら。

N『よしっ!のっちはお酒飲むっ。』
K『ずるいっ!ゆかも飲みたいっ。』
N『ゆかちゃんはまだダメでしょ。悔しかったら早く20歳になりんさい。』
K『のっちのくせに生意気よっ。』
A『そうよ、1人だけおばちゃんじゃん』
N『おば、おばちゃん!?』

パーティーナイトはまだ終わらない。


(完)






最終更新:2008年10月17日 17:57