◇N-side◇
「海だーっ!!!」
「海だね」
「海じゃね」
そう、林間学校にやって来ましたよ。
のっちは水着に着替えてテンションハイ。なのにマイエンジェル達ときたら、着替えもしないでムスッとした表情で砂浜にシート敷いて座ってる。
「二人共、何しとるんよ!泳ごうよ!」
「「……」」
「なんなんよもう!のっちが着替え手伝ってあげようか!?」
「「いらん」」
「じゃあ何!」
訳が分からんわ。あんなに海を楽しみにしてたじゃないか。
「…泳ぎたくても泳げんのよ」
ゆかちゃんがボソッと言った。泳ぎたくても泳げん?二人共、別にカナヅチとかじゃないじゃん。
…あ、
「もしかして生理?」
「「のっち」」
「あ、はい…」
そっか生理か…そりゃ仕方無いな。えーでもそんなんさぁ、のっちガッカリだよ。全然楽しくない。
「そうだ!」
閃きました。誰か持ってるだろう…ちょっと貰ってこよ。
◇
「はぁはぁ…お待たせ!」
「「何?それ」」
「タンポンだよ!さぁ二人共足開いて…」
「「最っ低!!」」
あ…のっち海のモズクにされちゃう…。違う、藻屑か。
◇A-side◇
最悪じゃ。今朝になって急に来るなんて。
お腹痛いし、イライラしちゃうし、最悪。
夜なり肝試しの為に宿舎の外に集合させられた。
「あ、のっち」
「あ〜ちゃんくじ引いた?」
「ううん、まだ」
「ゆかちゃんから貰ってきなよ」
そういえばゆかちゃんは生徒会役員だから肝試しには運営としてしか参加出来ないんだっけ。
「はい」
「ん…23番…」
「嘘!のっちと一緒だよ!」
ビックリするゆかちゃん。あ〜ちゃんもビックリだ。まさかのっちと肝試しのペアになるなんて。
「言っとくけど、めちゃくちゃ怖いけぇね」
「…う、うん」
ゆかちゃんの不敵な笑みにビクッと震えた。う…どうしよう…あ〜ちゃん怖いの無理…。
◇
「大丈夫!のっちがあ〜ちゃんを守るからね!」
意気込むのっちだが、さっきから繋いだ手が震えてる。本当は怖いくせに、ほんま意地っ張りでカッコ付けたがり。
だけど、そんな所があ〜ちゃんは好きだったりする。
「のっち」
「ん?」
「絶対…離れないでね」
「う、うんっ!死んでも離れん!」
のっちは繋がれた手をギュッと握った。あ〜ちゃんもそっと握り返した。
◇N-side◇
「てかさぁ、凄い確率だよね」
しばらく歩いてると、段々慣れてきたのか楽しさを感じてきた。
だってあ〜ちゃんと手を繋いで二人きりで歩けるなんて、嬉しいしドキドキじゃんね。
「やっぱり運命なんだよ」
「え?」
「のっち達は運命の赤い糸で結ばれてるんだよ」
「ふふ、ロマンチックな事言うんは似合わんよ」
なんて言ってあ〜ちゃんは笑った。いや、運命なんだと思う。そしてゆかちゃんも…運命。
決して永遠に結ばれる事は無いけど、のっちの運命の人は間違なく君達なんだ。
◇K-side◇
驚かす側ってあんま経験した事ないから、なんか新鮮で楽しい。
と言っても木の影から水風船を投げるだけだけどね。皆ビックリして悲鳴を上げるから楽しい。
あ、あ〜ちゃん達が来た。
「やっぱり運命なんだよ」
「え?」
「のっち達は運命の赤い糸で結ばれてるんだよ」
「ふふ、ロマンチックな事言うんは似合わんよ」
…あぁ、やっぱりろくな事が無い。
泣きたくなってきた。なんでゆかがこんな思いしなきゃいけないの?
水風船を、握り締めたら、クシャッと弾けて冷たい水が飛び散った。
「…この水風船、ゆかと一緒だ」
◇2-02:End◇
最終更新:2008年10月17日 18:22