こんな日が来る事。
最初からわかってた……。
今のこの想いは嘘じゃない。
でもこの瞬間(とき)は永遠には続かない。
終わりのあるものならば最初から手にしなければ良い。
そうすれば失う痛みなど感じなくてすむから。
それでもまだなお、欲してしまう愚かな私。
どうすればイマを永遠に閉じ込めておけるのか。
耳を塞ぐ?眼を閉じる?
もしくは、心に鍵をかけ過去に生きる?
どんな方法もイマを繋ぎ留めてはおけない事くらい気付いてる。
でももう少しだけ気付かないフリをしていたい。
3人が奏でる、最高のテンションを、熱を、想いを……。
どうかこの儚い夢の燭が消える事のないように。
永遠にはムリだとしても、少しでも永く………。
タイトル:The end of the eternity(永遠の終焉)
N『っ!!』
眼に飛び込んで来た景色は見慣れた天井。
あぁ…、なんだ夢か……。
全身に凄まじい汗をかいてる私。
いつもライブの後は悪夢にうなされ眼を覚ます。
そう幸せすぎて、それの終わりを無意識が感じてる恐怖。
K『…どうかした?』
あぁ、こんな事も忘れるくらい私は恐怖に捕われているんだね。
愛する人と眠りについた事すら思い出せないくらい。
N『あ…、いやなんでもないよ。』
K『……。なんでもなくない。』
グイッ!!
N『うわっ。』
強引に引き寄せられた。
K『ねぇ、のっち聞こえる?』
彼女の胸に抱き抱えられる私の頭。
心地良い心音が聞こえてくる。まるで母胎の中にいるみたいで安心する。
私は無意識に彼女にしがみつき肩をワナワナと震わせ鳴咽を飲み込む。
K『怖い夢でもみたん?』
優しい彼女の声が一層私を臆病にさせていく。
怖くて仕方ない。
失うのが怖くて怖くて仕方がない。
あたしは強くなんかない。
でも最後の時がいつか来るならば、それまでずっときみを護りたい。
K『ゆかはね。今が多分1番幸せなんじゃないかなって思うの。』
のっちがしがみつく強さを感じながら続ける。
K『だから怖くて仕方ない時もある。でもね思うんだ。』
あたしの胸の中で泣いていたのっちは落ち着きを取り戻したのか、乱れていた呼吸が静かになっていた。
K『明けない夜はないように、沈まない太陽もないんじゃないかって。』
しがみつくのっちの手にまた力が入っていく。
K『だからこそ今を精一杯生きる事に意味があるんじゃないかって。』
そう、あたしは思う。
例えイマが一生続かなくても、
永遠なんて存在しなくても、
でもこの瞬間は嘘じゃないから。
K『だからね、のっち。』
ゆっくり深呼吸をして、ゆっくり話し出す。
K『少しでも永くこの時を続かせたいから、だから私はイマを精一杯生きようと思うの。そしてそれを共有できる人達を見つけたから。だからゆかは幸せなんだよ。』
ゴールの見えない道は霞むけれど、誰だっていつかは死んでしまうから。
だから人は寄り添い合って生きてくの。
独りじゃ生きてる証を刻み込めないから。
願わくば永遠より永いイマを下さい。
少しでも永くあなたといられるように。
少しでも多くの思い出達を残せるように。
幸せな物語を永遠に……。
(完)
最終更新:2008年10月17日 18:51