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次の日、目が覚めると携帯がちかちかしてた。
空色のランプ。
ゆかちゃんからのメールだ。
また、やっちゃったよ・・
内容を確認する。

『今、なにしとん?』

その一言だけだったけど、昨日のあのことを話したかったんだろうことは
容易に想像できた。


さて、なんて返そうか。
考え込んでいるうちに、時間がきてしまい
慌てて用意して、家を飛び出す。


今日は午前中は授業、午後から仕事だ。
ゆかちゃんは、1限から。のっちは2限だけ。
電車に揺られながらメールを打つ。

『返信遅くなってごめん。良かったら、今日はお昼一緒に食べない?』

少ない脳みそをフル回転させて、いろいろ考えて返したメールは
用件のみのシンプルなものになってしまった。
結局のところ、会って話をするのが一番なような気がした。

普段、大学で一緒にご飯を食べることはほとんどない。
ゆかちゃんはゆかちゃんで友達がいるし、
のっちは、授業が終われば早く帰りたいし。
基本、別行動だ。取ってる授業も違うから、当然といえば当然なんだけど。


メールを返信して、ふと思った。
なんだか、深刻げに捉えてしまったけど
もしかしたら、そんなに深い意味はなかったのかもしれない。
自分だけが、昨日、いろいろと考え込んでしまっただけで。
そんな自分だって、一日経てば、新しい朝を迎えてる。
わざわざ、昨日のことに触れることはないか、、、

そうしてるうちに、ゆかちゃんからメールが返ってきた。
『いいよ。どっかでご飯食べてから、仕事に行こうっか。
授業終わったら、正門とこで待ってるね』

    • やっぱ、のっちの考えすぎ?
ま、考えたって仕方ない。


電車の窓から差し込む光は、相変わらずぎらぎらしてる。
思わず目を逸らす。
今日も暑くなりそうだ。
気合い入れなきゃ、熱にやられちゃうね、こりゃ。

よし、今日もがんばろ。
あたしは、電車を降りて、大学へと足を進めた。


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朝一の授業はいつだってしんどい。
久しぶりの授業だから、いまいち内容にもついていけないし。
それでも、友達がいろいろと説明してくれるのは、ありがたいことだ。

ふいに携帯が震える。
ディスプレイを見る。
あ、のっちからだ。やっと返してきたか。

ちょっとドキドキして開いてみたが、あまりにシンプルな内容に思わず笑いそうになってしまった。
返信が遅くなった言い訳なり、なんかあった?なり・・
返す言葉はいろいろとあるんじゃない?

でも、珍しくお昼ご飯に誘ってくるなんて
のっちなりに、気を使ってるんだろうな。

なんだかよくわからないけれど
ココロがあったかくなってく気がした。


そういえば、最近二人きりになってないな。
仕事があるからほぼ毎日会ってるけど。

昨日のことについて話したい気もする。
でもそれって…

あぁ、そんなことより
のっちにぎゅっとして欲しい。

きっと余計なことを考えてしまうのは

のっちが足りないからだ。

きっと、そうだ。

窓から見える太陽。
あまりのまぶしさに目を逸らした。

早く、授業終わらないかな・・


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授業が少し長引いてしまったので
足早に正門へと向かう。


行き交う人の流れの中
ゆかちゃんを発見。
あの長くて綺麗なストレートヘアーは案外目立つ。
ま、どんなとこにおってもゆかちゃんならすぐに発見できちゃうんだろうけど。

「待たせてごめん!」
「ほんまじゃわ〜今日はのっちのおごりじゃね〜」
「えぇ!だって授業が…」
「冗談だよ。ゆかも今来たとこでそんな待っとらんし」
そういってゆかちゃんは極上の笑顔。

あまりの可愛さににやにやしてしまう。

「のっちキモい。なににやけとるん」
キモいなんて言いながら、変わらずゆかちゃんは笑顔。
「いやぁ、可愛いなと思ってさ。それに久しぶりにデートみたいじゃ、、」
と言いかけて一瞬言葉につまる。
デート、でいいのだろうか?

すると
「仕事なかったらおもいっきり遊べるのにね。
残念ながら今日はランチデートじゃね」
と言って、ゆかちゃんはそっとのっちの手をとる。
「!・・えっ、あ、うん」
思いがけないその行動に、うまく反応できないでいると
「なに焦っとんw・・ちょっと手繋ぐくらい大丈夫じゃろ」
と伏せ目がちにゆかちゃんが呟く。

のっちの体温は一気に上昇。
周りの目も気にならないくらいに。

うだるような太陽の暑さも
耳にまとわりつく蝉の鳴き声も
なにもかも
遠くの世界へ。

確かに感じるのは
繋がれた手から感じる
ゆかちゃんの体温だけ。

のっちの全ては
ゆかちゃんに支配されている。

ゆっくりと大学を後にする。

手はちゃんと繋いだまま。

けど、“恋人つなぎ”はできない。
もどかしいけど
仕方ないよね。






最終更新:2008年10月17日 18:55