「ゆかちゃん!こないだのバンドのライブDVD買ったけぇ一緒に見ん?」
そう誘われて、お仕事が終わったあとにのっちの家に遊びにきた
あ〜ちゃんにも声かけたけど来ないみたい。興味ないんだって
のっちと2人きりか…ちょっとわくわくしてる
あ〜ちゃんごめんね
ゆかはね、のっちが好きなんよ
もちろんあ〜ちゃんも大好きやけど
その気持ちとはまた…違った感情で…のっちが好き
のっちもあ〜ちゃんもそんな事知らんのやけどね
これは一生の秘密じゃけぇ
のっちは
あ〜ちゃんも来ればよかったのにねー
なんて言うとる。
そうやねーって軽く流すね、ごめんね
ゆかはのっちと2人で嬉しいんよ
「もう夜も遅いし、泊まってくっしょ?」
DVDを見終わったらもう日付が変わっていた
「…うん、泊まってくー」
やだな…なんもないのに超ドキドキしてきたよ
アホやねゆかは
ちゃっかりお風呂まで借りて、明日も朝から大学じゃけぇ寝ることに
「ゆかちゃんベッド使いなよ。のっちは下で寝るけぇ」
「え、悪いよそんなの。のっちベッド使いなよ」
「悪くないよ。ゆかちゃんはお客さんじゃろ?お客さんはベッドって決まってるんよ」
「でも…」
「いーから!さっはよ寝よ!」
よく分からないのっち理論に諭され、ベッドに入ってしまった
のっちん家に泊まるといつもベッドを使わせてくれる
やっぱり優しいなぁ…のっち好き、大好き
のっちん家にはお客さん様のお布団があるんじゃけど、なんかやたら薄いんよね
毎回のっちはそれで寝て、次の日体痛そうにしとるん
いつもは3人でお泊りじゃけえ、あ〜ちゃんをそんな薄い布団で寝かせる訳にはいかんから、ゆかも何も言わんとあ〜ちゃんと2人でベッドで寝るんじゃけど
(あ〜ちゃんもゆかがそんな薄いお布団で寝るのは許せんみたいで素直にベッドに入ります…のっち、なんかごめんなさい)
今日はダメじゃ
のっちをそこでは寝かせられん!!
でも…あーどうしよう、緊張してきよったよ
でも…でも、のっちの体はやっぱり心配だもんっ
「のっちー……一緒に、寝ん…?」
さらっと言ったつもりなんだけどな…大丈夫かな
声、奮えとらんかったかな
「…えっいいの?」
「…うん。てかのっちのベッドじゃろ?いいに決まってんじゃん」
「ん〜…じゃあお言葉に甘えて」
のっちはすんなりベッドに体を移してきた
…やっぱ、そのお布団、辛かったんじゃね
「へへっありがと」
ハニカムのっち
可愛いよぉ…あーだめだ心臓静まれっ
…のっちの方が見れないゆかは、天井を見つめる
のっちが横におる…そう思うと動けんよ
「…ゆかちゃん優しいね…ありがと」
そう言うとのっちの右手がゆかの左の頬に当てられた
とたんにゆかの体は硬直する
のっちに触れられてる部分が熱い…
頬をさする手がこそばい…気持ちいい
そっとのっちに目をやると優しい目をしたのっちがいた
…そんな目で見んでよ…勘違いしちゃうじゃん
「ほっぺたすべすべしとるねー気持ちいい」
なんて言いながら体を寄せてきた
のっちの体温が伝わる距離で見下ろされる
右手は…まだゆらゆらとゆかの頬をさすったりつねったりしたままだ
顔が近いよのっちぃ…
なんなんよもぉ…
「ゆかちゃんなんか可愛い。今赤ちゃんみたいだよ」
笑いながらのっちは言う
そのハニカんだ笑顔にゆかの心臓がうるさいほどにわめきだす…締め付けられる
「なんよそれ…「ねーちょっとちゅーしてみてもいい?」
え…と思った瞬間、のっちの唇がゆかの右のほっぺに落とされた
まっまだ返事もしとらんのに!
…違う違う!そういう問題じゃないじゃん!
「やばい…超やわい…」
そう小さく呟くと、のっちはまたほっぺにキスを…
なんよこれ…のっち、のっちぃ…
ぎゅっと固く目をつむってのっちを感じる
ほっぺにちゅーされとるだけやのに声が出んよ…
どうしよう、ホンマなんなんよこれ
状況がうまく把握できない
なんでゆか今こんな事されとるん?
のっちは今何を思ってこんなことしとるん?
ねぇ…のっち…
「のっ、のっち…!」
のどの奥からしぼり出した声は少し裏返ってしまった
「ん…何?」
「……なっに…しよん…」
それしか言えなかった自分が情けなくて仕方がない
もっと、もっとのっちに聞かなきゃならん事いっぱいあんのに
「ちゅーしよる」
そう言って無邪気に笑うのっちに目が眩む
あぁ…だめだ、もう…好きだ
好きだよのっち。好きなんよ
「ちゅー…していいなんて一言も言っとらんよ、ゆか」
「だめなん?」
「だめ…」
「なんで?」
「なんでって…のっちは…ゆかのことどう思っとるん」
「えーどうって?」
「…なんでこんな事するんかって事」
こんなことされたら心臓いくつあっても足りん…
「んーゆかちゃんとくっついてんのが嬉しいから…?」
なんで疑問系なん。嬉しいってどういう意味よ
「なんで嬉しいん?」
「え…だって気持ちいじゃん、人肌」
…のっち。じゃああんたは人肌だったら誰だっていいって事なん?
「じゃあ誰にでもこんな事しよるん?」
「なんよーゆかちゃん。いーじゃん別にほっぺたぐらい」
にひひって笑ってゆかの横に倒れこむ様に体を離されて、のっちの体温が遠のく
やだな、もっとくっついてたかったな
…ちょっと矛盾しとるなゆか…
「ほっぺぐらいってなんじゃ!ほっぺだって許可なくしたらいけんのん!」
「はい。ごめんなさい」
ちょっと怒った風に言うとこれだよ。このヘタレ
「でもゆかちゃん」
「なに?」
「ゆかちゃんも嫌って言わなかったんじゃけ、おあいこだよ」
アホのっち
言わなかったんじゃない、言えんかったの
ゆかのこんな気持ちなんてなーんにも分かっとらんのやろなー…
のっち
ゆかはのっちが好きなんだよ
そう、言いたい衝動にかられる
でも…それを言ったら、全部終わる
今までが全部、無くなっちゃうんだ
ふわぁ〜っと、あくびを一つしたと思ったら何事もなかったみたいに、おやすみぃーだって
ホンマ、のっちはアホの子じゃ!
さっきのこと、朝起きたら忘れちゃってるん?
ねぇ…のっち
最終更新:2008年10月27日 15:51