<side n>
あの時、誓ったんだ。
もう絶対に、自分の想いだけで、大好きな人を傷つけたりしない。
と言えば、聞こえはいいかもしれない。
結局のところ、怖くなったんだ。
自分の想いを相手にぶつけることが。
臆病になったんだ。
自分のせいで、大好きな人が傷ついた姿を目の当たりにして。
「うぅ・・・のっちぃ・・・」
あ〜ちゃんから零れた声で、過去から引き戻される。
しまった・・
この話は、するべきじゃなかった。
あの時のことを思い出させるような。
ほら、また
あ〜ちゃんを泣かせてしまった。
だめじゃ。
のっちは、あの頃となんも変わっとらん。
<side a>
のっちが、大好きなゆかちゃんに
もう一歩踏み込めない理由。
それは
あ〜ちゃんだったんだ。
あ〜ちゃんのあの時の言動が
未だに、のっちを縛り付けていたんだ。
のっち。
あ〜ちゃんはあの頃、
のっちのキモチに気付き始めていたあの頃
確かに、のっちのことが好きだったんだよ。
でも、どういう「好き」かはっきりしなくって。
のっちが、あ〜ちゃんに好意を示してくれるたび
キモチは揺れた。
あの、告白された時も
このまま、付き合っちゃえば
ゆっくり時間をかければ
どんどん、のっちのこと
好きになっていくんじゃないかって思ってた。
でも、のっちのキモチは
あ〜ちゃんが想像していたよりも
ずっと大きくて、強くて
中途半端な答えじゃダメだと思ったんだ。
何度も揺れたキモチの中には
憧れの家族像ってのがあって。
旦那さんがいて、あ〜ちゃんがいて、そして
子どもがいて。
幼い恋だ。
永遠なんて信じてるわけじゃなかったけど
それでも、先のことまで考えてしまったんだよ。
のっちが真剣なのが、痛いほど伝わってきたから。
だから、
キモチの中から、その憧れは消えはしないだろうという確信は
一緒にいると、いつかそのことで、
のっちを傷つけてしまうだろうという確信へ。
もしかしたら、うまくいくのかもしれない。
けれど、いつかその時が、必ずくるのなら
いつかではなく、今
区切りをつけたほうがいいと思ったの。
二人のためにも。
でも、その「答え」が
こんなにも
のっちを
傷つけていたなんて・・・
最終更新:2008年10月27日 16:15